2007.03.02

106,398歩、ソウルの旅(15)

※「106,398歩、ソウルの旅」は昨年のゴールデンウィークに家族三人でソウルを訪ねた旅の記録です。

今回は旅のアルバムから5月3日に撮った写真をご紹介。

金浦空港
ソウルの旅はここから始まりました。
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乙支路地下街の軽食堂
ソウルで始めて食事をした場所。マンドゥラーメンが旨かった。
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狎鴎亭の街角
スターバックスの窓から息子が撮った写真。
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夜の明洞
食事にも買い物にもブラつくだけでも楽しい。
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2007.02.26

106,398歩、ソウルの旅(14)

※「106,398歩、ソウルの旅」は昨年のゴールデンウィークに家族三人でソウルを訪ねた旅の記録です。

5月3日。明洞餃子で夕食を済ませ。しばし街歩きを楽しむ。たとえば原宿・竹下通りや池袋・サンシャイン通り、東京にもありそうな店が多いが、どこかが微妙に違う。全体に値段が安いように思われるし、店員と客との距離感も近い感じがする。それに商品もなんとなく韓国っぽい。そこがいい。もちろん、それ以上に楽しいのは、これぞ韓国、といったお国柄を感じさせるような店。もっとも大分、夜も更けてきたし、足も疲れてきたので、そろそろホテルに戻ることにする。

道すがらセブンイレブンに立ち寄る。朝食は前日のうちにコンビニで買っておく、妻は前からそう決めていたのだという。確かに、毎食毎食、韓国料理を食べていたら、さすがに飽きそうだし、もしかすると辛さで胃をやられてしまうかもしれない。もちろんコンビニのほうが経済的だし、三人それぞれ好きなものが食べられる。なかなか合理的な選択だ。

セブンイレブンは店内の様子も品揃えも日本と大して違いがない。でもやはり微妙に違っていて、そこがやっぱり面白い。パン、おにぎり、ジュース、お茶、チーズ、ゆで卵、カップラーメン、などなど、それぞれ好きなものをピックアップしながら店内を巡る。もちろん夕食時に呑み損ねたビールも忘れない。ボクは現地の代表的な銘柄・HITEビールを選んだ。それからミネラルウォーターとティーバック。ホテルの部屋でお茶が飲めないと寂しいし、水は明日、持ち歩く分も必要だ。おっと、おやつも買っておかないと……。なんだか本当に「経済的」なのか、ちょっと疑わしくなってきた。

大きなコンビニ袋をぶら下げてホテルに戻る。先ずはそれぞれの寝床を決める。柔らかいベッドの苦手なボクはあえてエキストラベッドを希望。これが後に仇となるのだが、それは次回の話としよう。つづいて順繰りに入浴。ボクと妻は湯上りビールを楽しみながら、息子はスナック菓子を頬張りながらソウルの街の印象を語り合う。

話も尽きてきたところでテレビをつける。驚いたことに日本語が飛び込んできた。NHKの衛星放送だ。『BSアニメ夜話』という番組で『王立宇宙軍――オネアミスの翼』という長編アニメ映画が紹介されていた。特に興味があったわけではないが制作時のエピソードなど、思いのほか面白く、息子と二人ついつい見入ってしまった。が、テレビを見ながら夜更かしをしている場合ではない。明日も早朝からたっぷりソウルを歩き回るのだ。

かくしてソウルの旅の最初の一日が終った。万歩計を見ると29356歩。よくもまぁ歩いたものだ。

続きはいずれまた……。

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2007.02.19

106,398歩、ソウルの旅(13)

※「106,398歩、ソウルの旅」は昨年のゴールデンウィークに家族三人でソウルを訪ねた旅の記録です。

5月3日。ロッテホテルを出て夜のソウルに繰り出す。ソウルは眠らない街だと妻から聞いていた通り、街路には人があふれ昼間よりよほど多いくらいだ。トッポギやおでんの屋台が軒を連ね道幅を狭くしていることも混雑を助長している。ロッテデパートを過ぎヤングプラザの前から地下道に入る。地下のショッピング街もかなり面白そうなのだが、なにしろ腹が減っていることもあって先を急ぐことにした。目指すは明洞(ミョンドン)。若者や家族連れ、また夜は仕事帰りのサラリーマンが多い庶民的な繁華街なのだそうだ。東京で言えばさしずめ池袋や新宿のようなところか。

地下道を抜けると風景が一変した。ロッテデパートの界隈はどことなく華やかさが感じられたが、このあたりはもっとむき出しな感じ、猥雑な感じを帯びている。東西に伸びた街路の左右に衣料品やアクセサリーの店、ゲームセンターやインターネットカフェの類、そして様々な飲食店が立ち並ぶ。引き売りや屋台も少なくない。この街路と交差して4つの通りが南北に走り、また通りと通りとの間を幾筋もの路地がつないでいる。明洞の繁華街はこのように網目状に広がっているのだ。

4つ目の角を右手に折れ南に向かう。このあたりには予めガイドブックで目星をつけておいた店がいくつかある。曲がってすぐ右側に明洞餃子、左側には民俗居酒屋が何軒か並んでいる。その先の右側には海鮮鍋横丁と呼ばれる路地がある。ボクはこの横丁のオモニチプという店で海鮮鍋が食べたかったのだが、路地の入り口から店の様子を伺ったところで妻と息子からNG。いかにも路地裏といった雰囲気がお気に召さなかったようだ。

少々北に戻り明洞餃子に腰を落ち着けることにした。メニューは3つだけ。しかも全て同料金というシンプルなものだ。餃子(ワンタンのようなもの)と大量の揚げニンニクが入った韓国ウドン・カルグクス、大豆スープの冷麺・コングクス、そして肉まん風のマンドゥ、どれもうまそうだ。しかも、なにを注文してもライスとキムチは無料サービス、おかわり自由。これで600円程度というのだから安い。ボクらはそれぞれカルグクスを1ぱいずつ、それからマンドゥ1皿をシェアすることにした。

店内はほぼ満席。あちらこちらから、にぎやかな話し声と麺をすする音が聞こえてくる。ビールがないのが残念だが、それは後のお楽しみにとっておこう。席に着くとほどなくキムチをもってきてくれる。あまり発酵の進んでいない酸味の少ないものだ。これがなんとも辛い。辛いが実にうまい。普段はキムチを食べない息子も喜んでパクついていた。やっぱり本場のキムチは違う、などとナマイキなことを言いながら……。

後で分かったことだが彼のナマイキもまんざらではなかったようだ。ソウルで食べたキムチの殆どがこうした酸味の少ないものだったのだ。ボクのイメージでは本場のキムチというとしっかりと発酵しているものなのだが、どうやら近頃のソウルっ子の好みは息子と近いらしい。また帰国後、妻が韓国語教室の先生に聞いたところでは、明洞餃子のキムチは韓国人にとってもそうとう辛く、なかには食べられない人もいるのだそうだ。ひとくちにキムチと言っても、さすがは本場、なんとも奥が深い。

そうこうするうちにマンドゥとカルグクスが運ばれてくる。マンドゥは皮がもっちりしていて肉まんというよりも小籠包や蒸し餃子に近い感じ。カルグクスは上品な鶏だしのスープで想像していたよりもあっさりしている。これがとびきり辛いキムチとよくあう。ご飯と一緒に頂いてもおいしいだろうなぁ、と思うのだが、ダイエット中の身としては我慢せざるを得ない。

続きはいずれまた……。

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2007.01.16

106,398歩、ソウルの旅(12)

※「106,398歩、ソウルの旅」は昨年のゴールデンウィークに家族三人でソウルを訪ねた旅の記録です。

5月3日。鳥山公園を出て狎鴎亭洞駅に向かう。再び地下鉄に乗り乙支部三街駅へ。だいぶ慣れてきたせいか、行きとは違い車窓の景色を楽しむ余裕もでてきた。ほのかに赤らみ始めた空の下をゆっくりと漢河が流れている。これぞソウル、旅情をかきたてる風景にしばし言葉を忘れて眺め入る。

ふと車内に目を移すとお年寄りに席を譲る若者の姿が見えた。日本では余り見かけなくなった光景だが儒教の影響が強い韓国ではあたりまえのことだと聞く。日本の若者の一人である我が息子はどうだろう。お年寄りを大切にする心は持ち合わせているとは思うが、席を譲るといった行動にまで結びついているか。いや、先ずは自分自身の心と行動を問うべきところだ。

地下鉄を乗り継ぎ乙支部入口駅に戻る。いったんロッテホテルの部屋に帰りひと休み。ティーバックのお茶で喉を潤す。窓の外を見ると南山の頂きにソウルタワーが見える。その後ろの空は夕焼け色から濃紺へと少しずつに変化てゆく。星もちらほら見え始めた。自分たちはいまソウルにいるのだ。改めてしみじみとそう思う。何ヶ月も前から計画を立て準備を進めてきた妻も感慨深そうな表情だ。

しかし食べ盛りの息子を持つ身としては、いつまでも旅情に耽っているわけにもいかない。さぁ、夜のソウルに繰り出して本場の韓国料理を思う存分ぱくつくのだ。あれ、食欲旺盛なのは息子だけじゃなくボクもか!

続きはいずれまた……。

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2007.01.12

106,398歩、ソウルの旅(11)

※「106,398歩、ソウルの旅」は昨年のゴールデンウィークに家族三人でソウルを訪ねた旅の記録です。

5月3日。パークBOFへ戻り妻と落ち合う。あこがれの場所を訪ねたばかりの妻は少々興奮気味だ。それでもやはり腹はすいていたらしく、スターバックスで買ったチョコレートを嬉しそうに口に運んだ。再び狎鴎亭洞の街中に向かう。ソウルでは日本食が流行っているらしく、しゃれた外観のビルに日本語で「寿司」や「おでん」と書かれた看板が下がっていることが少なくない。その中には微妙におかしな日本語もしばしば見受けられた。なかでも「GAOの厨房」という店の看板は傑作。三人で大笑いしてしまった。

おいしい すしが
ウォ ソとは しんじがたいね
しょちゆう いぱいに すし
ひとつ たべながら
ぼくのごこゐを まぎ らして みる
ああ いいよ ああ いいよ

しんじがたい わだんに
じかたい げんをうてきな
あじと ふんいき
これが むてぽろ をのもである
     (「GAOの厨房」の看板から)


もっとも東京にしたってネイティヴから見れば微妙におかしな英語が街のあちらこちらにゴロゴロしているのだろうが……。

街歩きも少々飽きたので鳥山公園に立ち寄る。カップルや家族連れが思い思いに初夏の遅い午後を楽しんでいる。ウォーキングや体操に精を出すお年寄りの姿も目立つ。この公園は、日帝占領下の独立運動を率いた韓国の国民的英雄・安昌浩の業績を記念したものだという。園内にはツツジなど色とりどりの花に混じって占領下の苦難と独立運動の勇姿を描いたレリーフが飾られていた。このようなかたちで不幸な歴史の痕を突きつけられると、韓流ブームに浮かれるようにしてソウルを訪ねたボクも複雑な心持ちを覚える。いつまでも過去を引きずるべきではないかのもしれないが、だからといって、すっかり清算したような気になっていていいものか、疑わしくなってくるのだ。

続きはいずれまた……。

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2006.12.08

106,398歩、ソウルの旅(10)

5月3日。さて、ここからはしばし息子と二人旅である。大通りに戻りスターバックスへ向かう。時間のゆとりができたせいか、さっきまで余り気にも留めていなかった周りの様子が目に入いるようになってきた。改めて観察してみると日式と書かれた高級そうな日本料理屋が多い。小洒落たブティックやアクセサリーショップなども目立つ。

もっともボクらの目を引いたのはクルマ。さすがにヒュンダイが多いがベンツやBMWなどのドイツ車、トヨタやニッサン、ホンダなどの日本車も少なくない。そんな話をしながら歩いていると、街の様子がますます華やかに賑わってきた。いよいよ狎鴎亭の中心地にさしかかったらしい。大通りのこちら側にもあちら側にも日本車を含めた外車のショールームが乱立している。ちょっと覗いてみたい気がしたが息子に断られてしまった。少々疲れが出たのか、早くスターバックスに行こうと言う。

見慣れた緑の看板がようやく見えてきた。ビルの2階、自動ドアを抜けカウンターに向かう。英語で話しかけてみたところ、さすがはスターバックス、きちんと通じた。普段ならエスプレッソかブレンドを注文するところだが、小腹がすいて糖分がとりたかったのでキャラメルマキアートにした。アイスクリーム好きな息子はフラペチーノ。コーヒーの味が分かるようになるには未だ早いらしい。

ここから見下ろす街並みは正に繁華街。だが真下の歩道には小さな小屋がいくつか立ち並んでいてちょっと違和感を感じさせる。ニューススタンドか軽食の屋台か、そういったところだろう。息子はちょっと飽きてしまった様子。話しかけてもあまりのってこない。少しや休ませてやろうと、そっとしておいたら、デジタルカメラで窓の外を撮りはじめた。そうこうするうちに約束の時間が迫ってくる。妻も小腹をすかしているだろうと、おやつにカウンターでチョコレートを買い外に出た。

続きはいずれまた……。

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106,398歩、ソウルの旅(9)

5月3日。刺繍博物館を出たボクらは強面男たちに目もくれず、もと来た大通りへと急いだ。5分ほどで大きな交差点。ここを左折すると街の雰囲気が微妙に違う。どことなくあかぬけた感じ、ほどよく趣味よく高級感を漂わせているのだ。狎鴎亭という街らしい。東京なら赤坂や青山にあたる流行発信地だそうだ。ゆっくり散策するにはもってこいの街並みだが、今は先を急がなくてはならない。本日のメインイベントの予約の時間が迫っている。

大通りを左に切れ路地に入る。間に合った。ここがお目当てのパークBOF、ヨン様ファンの聖地である。ペ・ヨンジュンの所属事務所BOFの旧社屋を改装した言わばぺ・ヨンジュン記念館だ。ドラマ『冬のソナタ』をきっかけに韓国好きとなった妻にとっては、ソウルに来た以上、必ず訪問しなくてはならない場所。いや、この旅の最大の目的の1つと言ってもいいだろう。

門の周りには明らかに日本人と思わしき観光客が数名、デジタルカメラで記念写真を撮っている。どうやら予約せずに来たために入館できなかったらしい。ボクらが門をくぐりぬける様子を羨ましげに見送っている。さて、その門の内側は思いのほか狭く、小さな庭と左手に2階建ての建物があるだけだ。建物もさほど大きくはない。ちょっとした郊外のカジュアル・レストランといった趣きである。

妻は庭に置かれた四輪駆動車を見つけると急いで駆け寄った。そばにあった標識を見ると映画『四月の雪』の撮影に使用された車だという。カメラを取り出し妻と車とのツーショットをフィルムに納める。この旅には普段使っているデジタルカメラに加えて銀塩一眼レフを持ってきた。大切な写真はやっぱりフィルムで撮りたいから……妻の強いこだわりである。

入り口で受付を済ませ館内に消えてゆく妻を見送り、ボクと息子は二人、パークBOFを後にした。ガイドブックで近くにスターバックスがあることを確認、ボクらはそこで1時間ほど休憩を取り、その後、再びここで妻と落ち合うことにしたのだ。韓国語がまるっきり分からないボクらだけでも、スターバックスならなんとかなるだろう。そう思ってのことである。だが、しかし、もしもスターバックスがなくなってしまっていたら……、まぁ、そのときはそのとき、散歩でもしていれば1時間くらいすぐに過ぎてしまうだろう。いつの間にやらボクの心配性も影が薄れ、韓国的なケンチャナヨ(大丈夫、なんとかなるの意)精神が芽生えてきたようだ。

続きはいずれまた……。

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2006.12.01

106,398歩、ソウルの旅(8)

5月3日。午後3時半頃であったか、鶴洞駅に到着。階段を昇ると大通りに出た。この辺りはオフィス街といった感じであろうか。屋上に大看板を掲げたビルが目立つ。しばらく歩道を進むと街並みには似合わぬ屋台があった。見ると大きな鍋のなかでドロっとした真っ赤なソースがグツグツ煮えている。ガイド本で見たトッポギだ。棒状の餅「トック」をコチュジャンで甘辛く煮たものだと書いてあった。韓国人なら誰もが好む庶民的なおやつだそうである。鍋から漂う牛ダシと唐辛子の香りが食欲をそそる。後ろ髪を惹かれる思いがしたが先を急がねばならない。なにしろ予約の時間がある。

屋台を通りすぎ脇道に入る。更に歩くこと数分、道を渡り右側の路地に入る。黒塗りの外車が数台、その周りには屈強そうなスーツ姿の男が数人たむろしている。ヤバイところに来てしまったかな、一瞬、緊張が走る。近くのビルの看板に目をやると英語でボディガードと書いてあった。それなら大丈夫か、ホッと息を呑む。強面男たちの脇をすり抜け、古いビルの入り口に入る。狭い階段を上るとガラス扉があり、いかにも診療所といった様子の受付が目に入る。本当にここなのだろうか? しかし妻は少しも躊躇せずに扉を開く、ボクには読めないハングル文字の表札に刺繍博物館と書かれていたのだろう。

妻が受付の女性と二言、三言、言葉を交わすと、その女性は「こちらです」とばかりボクらを別室に案内してくれた。妻の韓国語はちゃんと通じているようだ。なんとも心強い。別室に入ると、そこは照明も暗めで、いかにも博物館らしい落ち着いた雰囲気。伝統的な刺繍が施された衣類や掛けもの等の布製品、韓国式パッチワーク「ポジャギ」、などなど数多くのアンティークが展示されている。

ひと通り鑑賞を終えて出入り口に向かうと一人の男性が立っていた。恐らく館長さん、というか診療所の院長先生が趣味で集めたアンティークを公開している、といったところだろう。ガイド本で覚えた韓国語で挨拶すると、案の定、写真集や小物などを土産にどうかと勧めてくる。折角だから欲しいものがあったら買ったら、と妻に促したが、先を急ぎたい様子で、特にいいわ、と答える。そうだ、予約の時間が迫っているのだ。次の行き先がメインイベントだとすると刺繍博物館は前座に過ぎない。ボクらはそそくさと博物館を後にして次の目的地へと急いだ。

続きはいずれまた……。

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2006.11.24

106,398歩、ソウルの旅(7)

5月3日。はやいもので連載7回目となったが未だに5月3日のままだ。そろそろ先を急ごう。昼食を終えたボクら三人は地下鉄の乙支部入口駅を目指して地下道を歩いた。東京の地下道とさほど変わらない様子なのだが、なにしろ目に入る文字が全てハングル。あたりまえのことではあるが、なんとも奇妙な感覚だ。標識を頼りに、いや、標識を頼りに改札を探す妻を頼りにノコノコとついてゆく。ものの5分かそこらのことだったがえらく長く感じられた。

乙支部入口駅。妻はハングル文字の路線図を確認し自動販売機で切符を買う。何度もガイド本で予習していたのだろう。初めてのはずなのに少しも戸惑った様子がない。どちらかというと機械には弱いはずなのに、好きこそものの上手なれとはよく言ったものだ。改札を抜けホームへ。ほどなく到着した列車に乗り込む。車内はさほど混んでもいなかったが座れるほどではなかった。三人ならんで吊り革にぶら下がる。――次で乗換えだからね、妻が言う。ここではぐれたら一大事だ。ボクの心配性のスイッチがオンになる。

乙支部三街駅。息子がはぐれぬよう、そして妻に遅れぬよう、ボクは後ろに前に気を配りながら列車を降りた。――今度は3号線に乗るから、と妻。路線番号の3を頼りにホームを探す。ソウルの地下鉄はすべての路線に番号がついており、壁の案内板や通路の床にもこの番号を目印とした導線が示されている。だから初めてでも外国人でも目当てのホームが探しやすい……とは言うもののホームにつくまではやはりハラハラ、ドキドキさせられる。

3号線に乗換える。ここからは高速???駅(???の部分はハングル。「バスターミナル」の意だそうだ)まで大よそ20~30分。歴史あるソウルの中心部・河南地区から漢河を越え流行・文化の最先端・河北地区へと向かう列車の旅だ。少し落ち着いた心持ちがして、あれこれ車内を観察していたところ、軍服姿の若い男たちが目立つことに気がついた。なかには母親と思われる年かさの女性と二人づれの兵士もいる。たまの休暇で里帰りというところか。なるほど、これが徴兵制のある国の日常風景なのだ、と思う。

そうこうするうちに高速バスターミナル駅に到着。今度は7号線に乗換え、三駅先の鶴洞へ向かう。ここにはソウルの旅の最大の目的……といっても妻にとってのではあるが……が待ち受けている。

続きはいずれまた……。

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2006.10.05

106,398歩、ソウルの旅(6)

5月3日。午後2時ころであったか。投宿先のロッテホテルを出てソウルの街に出る。ここからは妻の初級韓国語と練りに練った観光プラン、そしてガイドブックだけが頼りである。とにかく腹が減っていたし、早く目的地に向かわないと予約の都合もあるので、さっと手早く食べられそうな店を探しに地下街へおりる。しばらく歩くとこじんまりとした軽食堂が目に入る。日本で言えば立ち食いそば屋にあたるような簡単な店だ。妻は少し躊躇していたが、まぁ、とにかく入ってみよう、なんとかなるさ、と背中を押す。

昼食にはやや遅い時間だったせいか、5~6席のテーブル席には客の姿はなく、カウンターに1人、初老の男性が麺類をすすっているだけだった。カウンターの中から、これまたオモニ風のおばさんがなにやら声をかける。早くて聞き取れない、妻はこころなしか青ざめた様子。とにかくテーブル席に座を占めメニューを開く。マンドゥ(ワンタンのようなもの)の入ったラーメンと韓国海苔巻き(キムパプ)を注文する。妻の韓国語はちゃんと通じたようでカウンターの中のおばさん2人、せっせと手を動かし始める。男性客がなにやら店員の2人に話しかける。日本人の観光客がくるとは驚いたなぁ、とでも言っているのだろうか。

韓国の海苔巻きは酢飯ではなく、かわりに胡麻油がきかせてある。ラーメンはインスタントラーメンのような揚げ麺だ。スープはもちろん真っ赤で辛い。しかしこれがうまいのだ。家族3人、汗を拭き拭き、あっという間に平らげてしまった。ボクはもとより小洒落た気取った店よりも肩の凝らない庶民的な感じの店の方が好きだ。料金の心配をせずに安心して食べられるし、たいていはそういう店の味の方がボクには合う。それになんとなく他の客や店の人との間の敷居が低そうな感じがする。この店はどうやら息子の味覚にもあったようで、明日もここにこよう、と言う。せっかくソウルにきたのだから、さすがにそれはどうかと思うが、またふらっと立ち寄りたくなる店ではあった。

続きはいずれまた……。

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