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2004.07.31

「草野心平詩抄」を読む,その2

蛙詩以外の作品についても見てみましょう.
草野心平詩抄」で初めて読んだ作品や,その良さを再発見した作品は
実はむしろ蛙詩以外のもののほうが多いです.

■ドストエフスキー
場末の居酒屋の描写が活き活きとしています.
そこにフラリとドストエフスキーがやってくる.
この登場シーンは,さり気なく,かつ鮮やかです.

■大白道
15年戦争当時の作品,発禁処分となったことで知られています.
私は初めて読んだのですが非常に感動しました.
しかし,その感動には,ナショナリズム感情が紛れこんでいるような気もして
ちょっと後ろめたいような,後味の悪さを覚えたのも事実です.

■百姓といふ言葉
まずのっけから,第1連の5行に圧倒されます.

 百姓といふ言葉はよい言葉だ。
 ひとりで百の姓をもつ。
 その豪儀。
 その個と。
 連帯。

そして第3連.
「茄子。/胡瓜。/南瓜。/糸瓜。」に始まる42行の野菜の列挙.
これが読んでいて実に楽しく豊かさを感じさせます.
言葉の音,喚起するイメージやコノテーション,文字の姿
そういった様々な要素の組合せが,こうした効果を生んでいるのでしょう.

ところで,しつこいようですが,現代詩文庫の「草野心平詩集」はこちらから購入できます.

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