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2005.04.15

書くことの力、レトリックの力

少々無沙汰を重ねすぎた。どうにも厄介な問題を抱えこんでしまい、何を書こうにも一向に気乗りがしなかったのだ。しかし、考えてみれば、そんな時こそ私は書くことを頼りに生きてきたはずだ。

さて言い訳はともかく恒例のタネ明かしである。今回、『現代詩フォーラム』のスレッド型会議室「今読んでいる本の13ページ7行目を書き写すスレ」に投稿したのはこんな一文だ。

それが論争にも役立つことはいうまでもない。いや、じつを言えばレトリックとは、はじめは

佐藤信夫の『レトリック感覚――ことばは新しい視点をひらく』(講談社文庫)から。この後は「文学的効果などを目的としたものではなく、ひたすら討論に勝つための技術であった。」と続く。佐藤はレトリックには3つの役割があるとする。ひとつは論争に役立つ「印象的な説得力」。もうひとつは「文学的効果」あるいは「芸術的な挑発力」。そして3つ目の役割、この本のなかで佐藤が最も重要視している役割が「発見的認識の造形」である。

レトリックの「発見的認識の造形」とは、言葉では言いしれぬ事態を敢えて言葉で表現することによって、自分自身の視点をずらし、その事態に対する認識を造形しなおす、切実な試みである。書くことは程度の差はあれレトリックを伴う。だから時として書くことは私たちのものの見方を変え、私たち自身を、私たちの暮らす世界をも変えるのだろう。そして、そういった書くことの力、レトリックの力こそ、私が頼りとしてきたものなのだと思う。

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