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2005.07.15

しつこい!タネ明かし、13ページの7行目

1回飛んだが、しつこくもタネ明かしが続く。今回の13ページの7行目はこちら。

めている。彼は他人との交渉がほとんどなく一人で生きており、その頭脳には何がつまってい

「るのかよくわからない。」と続く。誰あろう、サルトルの『嘔吐』の主人公ロカンタンのことである。もっとも出典は『嘔吐』ではなく海老坂武の『サルトル――「人間」の思想の可能性』(岩波新書)だ。

サルトル。その名に強い憧れを抱いた、ボクらは恐らく最後の世代だと思う。実存主義にも構造主義にさえ乗り遅れたボクらだったが、それでもサルトルは特別だった。そのサルトルの生誕百周年の今年、海老坂が格好の入門書を出版してくれた。それが本書だ。余りにも美しく印象的な一文を「まえがき」から引いておこう。少々長くなるがサルトルは特別なのだから。

サルトルはもういないが、著作は残されている。彼の著作に問いかけてみよう。そこに答えがあるからではない。そうではなく、私たちの問いを問い直させ、問いの幅を広げ、深化させてくれる反響をそこに聴き取ることができるからだ。そして「泥棒と人殺しが権力についている下劣な社会」(『サルトル――自身を語る』)で生きていく勇気を、ときには、与えてくれるからだ。

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