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2005.09.28

あけがたにくる人よ

九月二七日。昨日の深酒のせいか、夜中の三時に目が覚めてしまった。右を向いても左を向いても寝苦しく、それきり寝付けぬまま朝を迎えた。明けがた五時頃であったか、山鳩がしきりに鳴いた。永瀬清子の詩「あけがたにくる人よ」が思いだされた。

あけがたにくる人よ
ててっぽっぽうの声のする方から
私の所へしずかにしずかにくる人よ
一生の山坂は蒼くたとえようもなくきびしく
私はいま老いてしまって
ほかの年よりと同じに
若かった日のことを千万遍恋うている
(永瀬清子「あけがたにくる人よ」より第一連)

四三歳。まだ年寄りと自称するには早すぎるだろう。しかし私も若かった日のことがしきりに恋われてならないのだ。明日になればさらに、年をとるほどにもっと、強く激しく恋われるのだろう、もう二度と帰らない日々が。そんなふうに予感されてならない。

喉が乾く。もう明日になってしまったのだと思うと、かえって床を離れがたく、ただじっと喉の乾きに耐えている。どうせそのうちカラカラに干からびて死ぬのだから乾くにまかせればいい。それよりも せめて若かった日のことを千遍でも万遍でも恋うておくことにしようか……。

あけがたにくる人よ
ててっぽっぽうの声のする方から
私の所へしずかにしずかにくる人よ
足音もなくて何しにくる人よ
涙流させにだけくる人よ(同、最終連より)

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