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2005.09.03

その首(こうべ)、神

7月に発表した作品「団欒」は、戦乱のイラクに赴き過激派に惨殺された香田証生氏の死に触発され、またその死をめぐる報道のあり方・受けとめられ方に憤りを感じながら書いたものだ。この詩はむしろ後者に重きをおき、惨殺された者の死は理解不能な異物として描かれている。この冷酷さがこの作品のキモであり限界でもある。

自由詩、俳句、短歌、これらの形式を自在に操る異才の詩人、高橋睦郎は、『現代詩手帖』7月号に掲載された連作短歌「死後生くべくは」で、香田氏の死そのものに向き合い、その崇高な意味を切り出した。

この国の無気力背負いひ異土に落とされたればその首 神
註:「香田証生君」の添書きあり。振り仮名は「異土」=ことつち、首=こうべ。

なんと鋭い切れ味だろう。しかし、その鋭利な刃物は温かくもある。ボクはただ感嘆するほかない……。

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» 明かり見えぬ行く末に [いろは 伊呂波 IROHA]
明かり見えぬ行く末に 手向けゐんや路地の小花 招き呼ぶ瞳も逸れ侘び おほへる里を鶉射て あかりみえぬゆくすゑにたむけゐむろちのこはな まねきよふめもそれわひおほへるさとをうつらいて  今まだ喪にあり、外向的に世間事情に触れて何かものいはむとする気もおこらず。本日の作もささやかなるものになれり。彼岸花過ぎる頃にやうやく旧に復するや。気が落ち着いてよりは日々の作の一々に漢訳をつけんかとおもふもこれも平仄に今少し通じてからにしたい思ひもあり。鼎訳にせる分も押韻のみを叶へて平仄には及びをらざるなり。 ... [続きを読む]

受信: 2005.09.04 15:35

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