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2006.08.25

夏休みの思い出から(1)

8月11日。映画『月光の夏』を観る。太平洋戦争の若き特攻隊員を巡る実話をもとに制作されたもので、日本映画専門チャンネルが「太平洋戦争と日本映画」特集の一つとして放映したのだ。この日は待ちに待った夏休みの初日だったが、朝から妻と息子が用事で出かけてしまい、手持ち無沙汰にテレビをつけたところ、偶然、この映画が始まるところだった。

出撃前の最後の思い出にと当時としては珍しいピアノのある小学校まで走ってきた二人の特攻隊員。一人は特攻で命を失い、もう一人は出撃直後に戦闘機の不調に見舞われ帰還したために生き残った。間違った戦争に駆り出され、間違った戦略・戦術のために命を落とした若者を想いボクは泣いた。卑怯者の汚名をなすりつけられ、亡くなった戦友を偲びながら生き抜いてきた人の気持ちを想いボクは泣いた。

映画を観終えるとふと高校生の頃にテレビで観た長編ドラマを思い出した。ある女優のタマゴの死の真相を追った刑事と、特攻を題材にしたブルーフィルムを作り続けてきた元特攻隊員との物語だ。たしか渥美清が刑事役を演じていた。もう一度あのドラマを見ることはできないかとGoogleで検索してみる。1979年にテレビ朝日で放映された『田舎刑事(3)・まぼろしの特攻隊』という作品であったことが分かった。監督は森崎東、脚本は早坂暁。刑事役はやはり渥美清。残念ながらDVDは発売されていないようだ。

そうこうするうちに妻と息子が帰ってきた。『月光の夏』を観た後で二人の笑顔を見ると、普段、なにげなく過ごしている平和な暮らしの有難さがつくづく感じられた。そして、そのような平和な暮らしも、為政者たち、権力者たちの過ちによって呆気なく崩されてしまう脆さをはらんだものだということも……。

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