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2006.12.01

106,398歩、ソウルの旅(8)

5月3日。午後3時半頃であったか、鶴洞駅に到着。階段を昇ると大通りに出た。この辺りはオフィス街といった感じであろうか。屋上に大看板を掲げたビルが目立つ。しばらく歩道を進むと街並みには似合わぬ屋台があった。見ると大きな鍋のなかでドロっとした真っ赤なソースがグツグツ煮えている。ガイド本で見たトッポギだ。棒状の餅「トック」をコチュジャンで甘辛く煮たものだと書いてあった。韓国人なら誰もが好む庶民的なおやつだそうである。鍋から漂う牛ダシと唐辛子の香りが食欲をそそる。後ろ髪を惹かれる思いがしたが先を急がねばならない。なにしろ予約の時間がある。

屋台を通りすぎ脇道に入る。更に歩くこと数分、道を渡り右側の路地に入る。黒塗りの外車が数台、その周りには屈強そうなスーツ姿の男が数人たむろしている。ヤバイところに来てしまったかな、一瞬、緊張が走る。近くのビルの看板に目をやると英語でボディガードと書いてあった。それなら大丈夫か、ホッと息を呑む。強面男たちの脇をすり抜け、古いビルの入り口に入る。狭い階段を上るとガラス扉があり、いかにも診療所といった様子の受付が目に入る。本当にここなのだろうか? しかし妻は少しも躊躇せずに扉を開く、ボクには読めないハングル文字の表札に刺繍博物館と書かれていたのだろう。

妻が受付の女性と二言、三言、言葉を交わすと、その女性は「こちらです」とばかりボクらを別室に案内してくれた。妻の韓国語はちゃんと通じているようだ。なんとも心強い。別室に入ると、そこは照明も暗めで、いかにも博物館らしい落ち着いた雰囲気。伝統的な刺繍が施された衣類や掛けもの等の布製品、韓国式パッチワーク「ポジャギ」、などなど数多くのアンティークが展示されている。

ひと通り鑑賞を終えて出入り口に向かうと一人の男性が立っていた。恐らく館長さん、というか診療所の院長先生が趣味で集めたアンティークを公開している、といったところだろう。ガイド本で覚えた韓国語で挨拶すると、案の定、写真集や小物などを土産にどうかと勧めてくる。折角だから欲しいものがあったら買ったら、と妻に促したが、先を急ぎたい様子で、特にいいわ、と答える。そうだ、予約の時間が迫っているのだ。次の行き先がメインイベントだとすると刺繍博物館は前座に過ぎない。ボクらはそそくさと博物館を後にして次の目的地へと急いだ。

続きはいずれまた……。

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