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2007.05.24

4月の読書録から

4月も相変わらず仏教モノばかりで……。

『未完成』(住宅顕信、春陽堂文庫)……4月2日読了。22歳で出家、浄土真宗の僧となり、ほどなく結婚。翌年には白血病を発病し、一児をもうけるも離婚。病室で子供を育てながら、自由律俳句の創作に没頭。しかし、わずか三年後、25歳で永眠。その壮絶な人生を思うと一句一句が重く切ない。

『蓮如』(五木寛之、岩波新書)……4月5日読了。ボクはどうも浄土真宗には親しみと同時に違和感を感じてしまう。前にも書いたことだが、念仏によって誰もが往生できると説く一方でストイックなまでに雑修を否定する、ここがどうもひっかかる。それに、このストイックさにも関わらず多くの信徒を得ていることも不思議だ。その違和感、謎を解く鍵を本書は与えてくれた。親鸞が「実存的な苦悩」に立脚し思想の深みを追求したのに対し、蓮如は民衆の通俗的な「悲苦」を救うことに眼目をおいた。それは蓮如自身の俗っぽさによるものであり、また、そうした俗っぽさが浄土真宗を広く普及させることにもなったというのだ。親鸞とはまた違う意味で蓮如も深いなぁ。

『仏教』(渡辺照宏、岩波新書)……4月20日読了。前月に読んだ『日本の仏教』とおなじ著者によるもの。仏教はインドの宗教であり、インド仏教を知ることこそが仏教を知ることであるとの立場から書かれている。中国や日本の仏者の貢献も無視するわけではないようだが、伝播の過程で曲解され、あるいは失われたものが多いと考えているようだ。「仏教が人心にもたらした最大の贈り物は慈愛の精神であった」との言葉が印象的。

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