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2007.09.18

夏休みの終わりに

8月14日、いつも思うことだが、待ちに待った夏休みも始まってしまえばアッという間に過ぎ今日が最終日。せっかくだから映画でも観に行こうかと声をかけると妻は『夕凪の街、桜の国』が観たいと言う。珍しくすんなり話がまとまり親子三人で池袋のシネ・リーブルに向かう。

この映画は「夕凪の街」と「桜の国」の二つの物語からなる。「夕凪の街」は昭和30年代の広島を舞台に被爆者・皆実の死を描いたものだ。一方、「桜の国」では皆実の姪にあたる七波がひょんなことから広島を訪れ被爆という家族の歴史の原点を見つめなおすことになる。この二つの物語が次第に交錯し、やがて一つの物語、戦争と戦後を生きた家族の歴史を描くタペストリーに織りあげられる。ささやかな日常を丁寧に描いており、全体に落ち着いたトーンを持つ作品だが、そのために却って幾世代にもわたる被爆の悲惨が染み入るように伝わってくる。

印象に残った台詞を一つ引用しておきたい。

なあ、うれしい?
十三年も経ったけど、原爆を落とした人は私を見て『やったぁ、また一人殺せた!』って、ちゃんとおもうてくれとる?

死を目前にした皆実の言葉だ。悲しみや怒り、憎しみを自分のうちに抑え、泣き叫びたい気持ちをじっとこらえて、それでも心の隙間から漏れ溢れる切なる想い。ボクには涙を耐えることができなかった。

戦争は畢竟、敵国に勝ち国益を守るために、人の命を奪い暮らしを破壊することなのだろう。原爆を落とした兵士も皆実を殺そうとしたわけではないはずだ。だが、だからこそ許せないのだ。なによりも尊いはずの人の命を道具や手段におとしめてしてしまう、戦争ということが、ボクには許せないのだ。

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