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2008.05.09

矮猫亭・2001年4~6月

古い日記の再掲載。今回は2001年4~6月です。振り返ってみて思うのは、この頃は仕事の本ばかり読んでいたのだなぁ、ということ。ちょっと視野が狭く、近視眼的になっていやしないか、という気がしなくもないのですが、当時のボクには集中的に学ぶことが必要だったのでしょうね、きっと。


耳障りの良い言葉 2001/04/16

小生の愛読するメルマガに「ゆうくんの経済学研究室」というのがあります。今朝はここに記された文章にドキリとさせられました(小山友介.第33号)。
3番目の文章は、文部省(現在では文部科学省)の政策担当者のトップがいかに現実から遊離しているか・耳障りのいいキャッチフレーズを掲げて思考停止しているかを痛感させてくれるので、ある意味一番お奨めかもしれません(苦笑)

これは『論争・学力崩壊』(「中央公論」編集部・中井浩一編.中公新書ラクレ2.2001)に掲載された「徹底討論・子供の学力は低下しているか」(寺脇研、苅谷剛彦)を評してのものでしたが、ふと我が身が省みられました。小生は仕事柄(企画系)、様々な経営用語を使うことの多い立場にありますが、もしかしたら、ただ言葉を弄んでいるだけではないか、そのことで思考を代替してしまっているのではないか、と思った次第です。

どんな言葉も思考のツールであって、それで思考を代替することはできないですよね。それは詩語についても言えることで、ただ詩っぽい表現を並べたところで、それは詩にはならない。考えなくっちゃね。頭と身体のすべてで。そして魂をも賭して。

あれっ? なんか耳障りの良い言葉を使ってしまったような気が...


今さら冬の句もなんですが 2001/04/18

流感の息子の耳朶の産毛かな

日中は初夏を思わす温かさの今日このごろ、今さら冬の句をご披露するのもなんですが、ごめんなさい、なかなか納得できる姿にならなかったもんで。

この句は当時――といってもこの冬です――、小三の息子が流感で寝込んでいたときのことを詠んだものです。まだまだチビと思っていたが、布団に横たわる姿を見ると随分と大きくなっている。そう言えば何だか生意気なことをいうようにもなったし。でも寝顔はやはり幼くて、耳たぶには産毛も残っている。早く良くなれよ。元気になったら、またスキーにでも行こうな。

ちなみに息子は小生の専属スキーコーチであります。結構、スパルタ式なんよねぇ。


久しぶりに芝居を見てきました 2001/05/29

ふと気付くともう1ヶ月も留守をしていたのですね。ごめんなさい。どうも仕事がねぇ、バタバタしちゃいましてねぇ。いや、そんなの言い訳にもならんのでしょうけどねぇ。

ま、前置きはともかく、先週の土曜日、何年ぶりかで芝居を見てきました。劇工房ライミング第24回公演「ダンシング・アット・ルーナッサ」。息子の同級生のお母さんが出るというので、家族揃って行ってきました。しみじみと良い芝居でした。

欧州の「辺境」、アイルランドの庶民の暮らし。そこに息づくケルト文化とカトリシズムの葛藤。迫りくる第二次大戦の影。そして資本主義の浸透と家族の崩壊。そんな重たいテーマを扱った芝居でしたが、陽気なアイルランド民謡とダイナミックなダンスを取入れた軽快なタッチで描かれており、却ってそれ故にしみじみと胸に伝わってきました。必要以上に深刻ぶったり、感傷に訴えたりするところがないのが良かったです。

しかし、何ですねぇ、やっぱり「生」はいいですな。まして小劇場はもう役者の汗が飛んできそうなほどのライブ感。小4の息子には少し難しかったかもしれませんが、彼なりに感動していたようです。これを機に親子で小屋通いをしちゃうかも。

ところで「ダンシング・アット・ルーナッサ」はメリル・ストリープ主演で映画にもなっているのだとか。ご興味のおありの方は↓をどうぞ。

Dancing at Lughnasa
 ――映画データベースIMDbより(英語です、本邦未公開らしくて)


最近はこんな本を読んでいます 2001/06/07

勤め先で長期ビジョン策定のチームリーダーを拝命してしまいまして、最近は、それ系の本ばかり読んでいます。ちょいとご紹介、ご参考までに。
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー 2001年5月号 特集:戦略論の進化
 ・大前研一.見えない大陸――覇者の条件
 ・マイケル・E・ポーター.戦略の本質は変わらない
 ・ジェイ・B・バーニー.リソース・ベースト・ビュー
 ・岡田正大.ポーター VS バーニー論争の構図
 ・キャサリン・M・アイゼンハート;ドナルド・N・サル.シン
  プル・ルール戦略

なかなか読みがいのある一冊でした。ことに岡田論文は、ポーターに代表される産業論的アプローチと、コアコンピタンスやナレッジマネジメントで知られる経営資源論的アプローチの2つの流れを概観できます。また両者の統合を提起しているところも良いと思います。
小林喜一郎.資源論の統合的フレームワークに向けて――戦略論における経営資源アプローチの研究.慶應経営論集.第18巻第1号(2001年2月号)

こちらは産業論的アプローチと経営資源論的アプローチを比較して後者に軍配を上げています。小生としては、どちらが優れているといった問題ではないように思われるので、岡田論文に軍配を上げてしまいます。でも経営資源論的アプローチをもう少し詳しく勉強したいという方には、学説史が整理されていて、お奨めかも。
フレッド・R・デイビッド.大柳正子訳.戦略的マネジメント――21世紀のマネジメントモデルを構築する.ピアソン・エデュケーション.2000(David F.Concepts of Strategic Management 7th edition.Prentice Hall.1999)

入門書という感じですね。基本を押えておくためには役立つと思います。殊に戦略的マネジメントのプロセスモデルの図は使えます。


柔道戦略?! 2001/06/06

ハーバード・ビジネス・スクールの新刊案内を見ておりましたら『柔道戦略』(David B. Yoffie; Mary Kwak.Judo Strategy: Turning Your Competitors' Strength to Your Advantage)なる本がありました。①動いて相手のバランスを崩せ、②攻撃を受けるときは自分のバランスを保て、③梃子の原理を利用せよ――これら3つの柔道の原則を利用すれば小さな会社も巨大企業に勝てるのだそうです。なんだかなぁ、と思いつつも、ちょっと読んでみたくなりました。でも英語じゃぁ、ちょっと読むっていってもねぇ。


詩神ミューズがいよいよその手を? 2001/06/07

もしも僕に愛が
許されるなら
それは五月
古い手紙から
解き放たれた風が
息子たちを勇敢にする

最近、ふと思いついたフレーズです。未だこの先が続かないのですが、いよいよ詩神ミューズの手が久しぶりに差し伸べられたのかも知れません。

あるいは、これはこれで完成しているのかも知れない。そうも思うのですが、様々なイメージが私の中に喚起されているのも事実。ただ未だイメージが言葉になってくれない。


あいかわらず戦略論ばかり読んでます 2001/06/12

ほんと、あいかわらずです。少し疲れてきました。けど、まぁ、がんばらなくちゃねぇ。というわけで(どういうわけだ?)、本日も読書録から若干のご紹介です。ご参考まで。
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー.1997年3月号 特集:戦略の本質
 ・マイケル・E・ポーター.中辻萬治訳.戦略の本質
 ・中辻萬治.ポーター戦略論のすべて
 ・野中郁次郎.ビジョン実現のプロセスとしての戦略
 ・矢作恒雄.日本企業に突きつけられた戦略の転換
 ・加護野忠男.戦略の歴史に学ぶ その定義と本質
 ・マイケル・E・ポーター.関根次郎訳.5つの環境要因
  を競争戦略にどう取り込むか
 ・ゲーリー・ハメル.萩原貴子訳.革新の戦略 その10
  原則
 ・ロバート・S・カプラン;デビッド・ノートン.鈴木一功訳.
  バランス・スコアカードによる戦略的マネジメントの構
  築

どれも基本を押さえる上では大いに参考になると思います。でも、もし、どれか1つを選べと言われれば、やはりポーターの「戦略の本質」かなぁ。いわく、「業務の効率化は戦略ではない」、「戦略の基盤は独特の業務活動」にある 等々。示唆に富み、わが身が省みられます。

で、笑ってしまったのがハメルの第3原則。「ボトルネックはボトルの先端にある」ですって。そうかぁ、困っているのは、小生だけではないのですねぇ。


経済見通し4 2001/06/18

野村総研さんの「2001年度・2002年度経済見通し」が改定されました。

実質成長率の見通しは、2001年度、2002年度ともに前回(3/16)よりやや弱気の予測となっています。

2001年度 今回:+1.3%・前回:+1.8%
2002年度 今回:+1.2%・前回:+1.5%


とうとうノウハウ本にまで手を出した 2001/06/18

野口吉昭編.HR Institute著.戦略シナリオのノウハウ・ドゥハウ.PHP研究所.1999

いわゆるノウハウ本です。が、しかし、押さえるべきところはかなりきちんと押さえています。当然といえば当然でしょうが、以前ご紹介したデイビッドの『戦略的マネジメント』よりも具体的な内容で、実務家には役立ちそうです。


これはちょっと感動ものでした 2001/06/26

基本に立ち返って経営のビジョンについて考えることにしました。経営戦略を考える前に、先ず、そもそも戦略を遂行することで、何を果たすのかを考える必要があるなということです。で、手始めに読んだのが↓。
James C. Collins; Jerry I. Porras.Building your Company's Vision.Harvard Business Review. September-October 1996

いけてます。すごいです。ビジョンにはどんな要素が盛込まれているべきか、それぞれの要素はどのような役割をもっているか、そして如何にあるべきか。とても平明に書かれています。言うは易く行うは難しなのでしょうが、一読の価値ありです。


今時、書名に「MBA」はどうかなぁ 2001/06/27

株式会社グロービス.MBAビジネスプラン.ダイアモンド社.1998

以前にも書きましたが、今年は勤務先で長期ビジョンの策定を担当することになりました。どうせなら経営計画のあり方も見直しましょうと提案し、これが通ってしまったものですから、さぁ、大変。という訳で本書を紐解いてみました。本書は、起業を考えている人や新規事業の企画を担当している人をメインの読者としていますが、全社計画を担当する小生にも、それなりに参考になりました。逆に言えば、かれこれ3年程、経営計画策定チームの一員として働いてきた割には、経営計画のイロハが十分には身に着いていなかったということでしょうか。反省。

それにしても今時タイトルに「MBA」と入れるのはどうなんでしょう。却って嫌われませんかねぇ。少なくとも小生は買うときにちょっと気恥ずかしかったです。

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受信: 2009.06.17 02:33

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