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2008.10.03

矮猫亭・2004年4~6月

古い日記の再掲載。今回は17回目、2004年の4月から6月である。

3ヶ月づつ掲載してきたので、あと2回で終わりだと思い込んでいたが、実は7月以降は既にこのサイトに移行していたことに気づいた。というわけで余りに唐突だが今回が最後である。

四月は実に実に低調でした.(中略)ま,しかし,明日からは五月.風向きを変えよう.ずばり変えてみせましょう.(4月30日の日記「風向き」から)

風向きを変えると叫んでから早くも4年と5ヶ月が過ぎたわけだが、ボクは風向きを変えることができたのだろうか。なんだかその風向きの先に吹きだまってしまっているような気がする。

折しも10月を迎え秋たけなわの今日この頃。4年越しの宿題に改めて取組むにはちょうど良い季節のような気がする。


フランス語入門一歩前 その1 2004/04/16

人生も大体半分くらいは終ったかなと思うとどうも,やり損ねていることが気になってしょうがない.例えばフランス語.小学生の頃,南洋一郎版の怪盗ルパンを愛読していた私は大人になったらフランス語,大人になったらパリ,と思っていました.中学に上がって詩を読み始めた頃もいずれボードレールやランボーを原書で,と思っていた.なのに,なぜか,大学では第二外国語をドイツ語にしてしまいました.とんだ気まぐれというか,魔が差したというか……(もちろんドイツ語なんて,てんで身につきませんでした).早いもので,それから,もう二十年.そろそろ手をつけないと,もう一生,手をつけられないかもというわけで,ちょっと,かじってみようかなと,思います.かじっただけで入門にも至らずに終るのかそれとも遂にルパンや悪の華地獄の季節を原語で読む日が来るのか.はてさて,どうなることやら.


今年も主役はこの2人か 2004/04/16

日曜日のJGTC第一戦は,予想通りZの本山・ライアン組が優勝しました.しかし結果は予想通りでしたが途中の展開は思いがけないハプニングの連続.なにしろ予選1位の影山・クルム組が序盤から遅れをとり事実上戦線脱落.というのも,その日は,降るのか晴れるのか,天気がはっきりせずスリックタイヤでスタートするか,レインを選ぶか,が難しかったのです.スリックを選んだ影山や井出は大きく遅れをとり出走ギリギリでタイヤを交換した本山チームは交換が遅すぎたとされ,ドライブ・スルー・ペナルティを喰らいました.でもペナルティを受けてでもレインに変えたことが結局は正解でした.

序盤はレインタイヤ組が主導権を握った訳ですが,レインタイヤは周回数を稼げず各車2回のピットインが必要となったため中盤のピットの戦略と巧拙が重要なポイントになりました.その点,ニズモはさすが.勝負は後半と読み,前半のタイヤ交換時にフル給油したため中盤,選手交代時のピットワークは非常にスピーディでした.お蔭で本山から替わったライアンは順位を上げ,いつの間にか2位に.

そして,もう1つのハプニングが.首位を守っていたデュフォア・クート組があと5周というところでまさかのペナルティ10秒を課せられてしまったのです.GT300クラスに初参戦のヒロミのポルシェがコースアウト.その際,危険回避のため追越し禁止のイェローフラグが振られましたがこれを無視したというものです.

終ってみれば昨年のシリーズチャンプの本山が優勝.惜しくも連覇を逃した脇坂が2位.結局,今年も,この2人が主役なのでしょうか.


フランス語入門一歩前 その2 2004/04/07

Bonjour! Comment allez-vous?

フランス語を始める,といっても,どこまで本気か確かめておきたい.そこで,とりあえず新書版の入門書を読むことにしました.それもブックオフの100円コーナで買える本.それなら,やっぱや~めた,ということになっても,諦めがつくから.

で,近所のブックオフを探してみたら,ちゃんとあったんですねぇ.

小林正.フランス語のすすめ.講談社現代新書.講談社.1964

刊行こそ64年ですが増刷を重ね今も現役というロングセラーです.読んでみると確かに話題が古い.でも,そこが却って面白かったりもしました('60年代生まれですから……).で,どうだい,もう一歩進む気かい? う~む,まだなんともなぁ.もうちょっと入門一歩前で足踏みを続けようかと…….


昨日は入学式に行ってきました 2004/04/09

昨日は仕事を休んで息子の中学校の入学式に行ってきました。おごそかに進む式を見ていると、自分の中学時代が思い出されました。いまにして思えば,あの日々は、そこから始まった青春の、いや、今日まで続いてきた人生の、原点でした。原点と呼ぶにふさわしい出会いに満ちていました。息子が、そして、その仲間たちが、豊かな出会いの日々を送れるよう、人生の原点と呼びうる時期を充実したものとできるよう、心から祈らずにはいられませんでした。

その日、日本のあちこちで親たちは子供たちの未来に想いを寄せたでしょう。校長や来賓は立派な祝辞を述べ、その度に、誰もいない演台の向こうに頭を下げたのでしょう。

テレビのニュースによれば、その日、高校の体育館の裏で自分の頭を撃ち抜いた男がいました。その二時間前に別の男を撃ち殺した銃で。

そして、その日、イラクでは三人の日本人が誘拐された。空爆が子供たちから学校を奪い、親や兄弟や友だちを奪い、手や足を、命さえを奪った国。そこで起きていることを自分のこととして生きようとしている人たちが捕らわれ、殺されようとしています。撤退はありえない、と政府は断言しました。そして、世界のあちらこちらに爆弾を落としてきた国に高く評価されました。

昨日、私は仕事を休んで息子の入学式に行ってきました。入学祝にミニコンポを買ってやりました。でも、その日もどこかで子供たちは飢え、愛を失い、手足を、命を失ない続けていたのでしょう。イラクで、日本で、アメリカで、血腥い、この星のどこかで。


三代目はいい? 2004/04/12

1ヶ月ほど前のこと,我が家のPCが,突然,動かなくなってしまいました.いつものように電源を入れたら,Windows98が起動する前の黒い画面に「Missing operating system」(だったかな?)と表示されそれきりピクリともしなくなったのです(われながら変な比喩.パソコンがピクピクしたらそーとーコワイですよね).たまたま息子が学校のパソコンクラブの顧問の先生からKNOPPIXというCD-ROMだけで動くLinuxをもらったところだったので取敢えずはこいつでネットにつないで週末ごとに復活の方法を調べました.が,あれこれ手を尽くしたものの,やっぱりダメだったんですよねぇ.まぁ,もう5年も使ったし,性能的にも大分不満が出てきたところだったので(しかも幸運にもデータは外付けHDDにバックアップしたばかりでしたし)とうとう新しいPCを買ってしまいました.これまたKNOPPIXでパソコンを起動しネットであれこれ調べたのですが結局,安くて良い,と知人から聞いたeMachinesにしました.思えば8年前(だったかな?),初めて買ったPCがシャープのメビウス.当時としてはなかなかのスペックでしたが液晶がDSTNの廉価版でした.二代目はIBM,と言っても慎吾くんがキュッキュッパと叫んでいたAptiva.そして三代目.本体のみモデルで\44.8K.低価格路線も極まったと言うべきでしょうか.それでもCeleron2.6GHzの速さは十分に堪能でき大満足です.eMachineはやっぱイィ,と,お約束なダジャレが出てしまうほど.


フランス語入門一歩前 その3 2004/04/14

Bonjour! Comment allez-vous?

新聞の下の方にある雑誌と本の広告って面白いですよねぇ.へぇ,世の中にはこんな本があるのか,とか,あ,○○さんの新作が出た,とか.先日は白水社の『ふらんす』という雑誌の広告が目についた.いわく,4月増大号,特集:フランス語入門,CD付き.で,早速,近所の本屋に注文して読んでみたのですが…….なるほど,最初の四分の一くらいは何とかついていける.が,発音の話が出てくると,まいった,ちんぷんかんぷんだ.アンシュルマン,リエゾン,エリジィオン……,う~む.で,CDも聞いてみた.入門一歩前で足踏みしている身としては高度すぎる.明らかに入門者か,その先の領域まで行っている.むむ,むむむ.どうする,どうする(ここクレシェンドしてね).

Au revoir!


創作ノートから 2004/04/16

小さな鳥が二羽、ふいに私の眼の中に落ちて硝子体の透明なゼリーに溺れ死んだ。その黒い影がいまも網膜に映っている。
なんか右目の視野の下の方に黒いものが見えるんですよねぇ.最初は埃かなと思ったのですが,いくら目薬を差しても一向に取れない.そうかぁ,これが飛蚊症かぁ.とうとうきたかぁ.加齢と共に眼球の硝子体の中身が濁ってきて黒い影のように見える.これが一般的な飛蚊症の原因.但し,網膜剥離の場合も似たような前兆を示すことがあるので要注意だそうです.というわけで,先日,近所の眼科へ行ってきました.眼底には異常がなく,やはり加齢による飛蚊症.老化現象の一種なので治ることはなく,ただただ慣れるまで我慢あるのみとのこと.トホホ.で,転んでも只じゃ起きまいと,こんな詩句をひねり出しました.


久しぶりのロングライド 2004/04/19

縄ばしごや避難袋を用意したり,地域の避難場所を確認したり我が家は少しずつ防災対策を進めているところです.先日は勤め先から自宅までの避難経路を地図でたどってみました.すると,たったの25キロ(片道)しかないんですね.毎日,1時間半かけて通勤しているわりには近いもんです.そこで,昨日,試しに自転車で往復してみました.春の陽気に誘われて,というよりも近ごろ腹の立つことの多いので,ちょっとしたウサばらし.往路はラクラク,やや,ゆっくり目に走っても2時間半.これなら,毎日,自転車通勤でもいいやなんて甘く見ていたら,帰りが大変でした.膝はガクガク,モモはつりそうになるし首も背中も腰も強ばってくる.サスもなく路面をダイレクトに伝えてくるのでオシリが痛い.それでも往復50キロを走りぬいた爽快感は何とも言えません.冷えたビールがうまいこと,うまいこと!月に1度くらいはロングライドしようかな,と思いました.


いまさらながら 2004/04/20

『現代詩手帖』の1月号を読んでいます.読み直しているのではありません.もうすぐ5月号が出るというのに初読です.情けない.

1月号の特集は「現代日本詩集2004」.それだけに,いつも以上に詩の占める分量が多いです.まぁ毎年1月号はこんな感じですがやっぱり詩の雑誌は詩が多くなくっちゃね.

また2004年を展望する城戸朱理と野村喜和夫の対談「切実さの露出:グラウンドゼロ以降」が実に良い.いつくか感銘を受けたフレーズを引いておきます.

その革命は武力による転覆ではなく、それぞれが生きている場所からの世界の変革

詩は死んだ、だから甦るしかない

詩というのは反抗の形式だ


年頭に相応しく,何とも勇ましいというか,威勢がよいですね.ところで,早いもので今年も三分の一が終ろうとしています.私は,この1年でどこまでゆくつもりだったのか.その三分の一の距離を歩むことができているのか.残りの時間で歩ききることができるのか.う~む.なんとか挽回せねば,っていつも,そう思ってばかりのような気がします.ほんと情けない.


いまさらながら,もう1つ 2004/04/22

今日も『現代詩手帖』1月号から.

昨年11月「現代詩セミナー・イン・桜島」というイベントがあったそうで和合亮一のレポートが載っています(「燃える寒冷前線、日の島へ。」).桜島をバックにしたポエトリーリーディングの様子が活き活きと楽しそう.和合は私が最も注目している中堅詩人の一人.福島の高校で国語を教えているそうです.「ザ・カレーライス・センセーション」という作品も掲載されています.

セミナー中の講師の発言もいくつか紹介されています.そのなかから特に印象深かったものを引いておきましょう.

詩を書くときは常に、自分の作品が壊れてもかまわないという前提でやる(稲川方人)

詩は魂の仕事。そこに決意を込めるかどうかが大事。志の高さがその作品の方法に必然と変わってくる。一つ一つに精魂を込めることしか、道は開けない(和合亮一)


Le projet poetique 2004/04/25

このプロジェクトは辞書を引くことから始まる.projectはprojet,男性名詞.poeticはpoetique.従って詩的企み,すなわち,a poetic projectは,un projet poetique.だが,この試みが詩的であるのか,それとも感傷的でしかないのかそれは,まだ,私には,判らない.Un projet poetique ou sentimental.念のため引いておく.ouはor,やはりそうだ,orはou.


風向き 2004/04/30

四月は実に実に低調でした.正直に言って,仕事への情熱というか,やる気というかなんだか急激に萎えてしまった.ま,それなりに理由も事情もない訳ではないが普段なら,それくらいのこと,鼻で笑ってやったと思う.で,毎日,そこそこの時間に家に帰るのだけれど帰れば,それなりに家族と話もするのだけれどなんだか上っ面を撫でているだけで深いところでコミュニケーションができていないような気がする.だったら,途中でドトールにでも寄って原稿を書けばって思うんだけど,結局,それもできない.なぜだろう.自分の仕事,家庭での言動,詩,等々私のすることは何もかも誰の役にも立たないような感じがする.

連休初日の昨日,近所のラーメン屋で夕食を取ったのだけどここのマスタはいつも元気で実に気持ちが良い.ラーメンも餃子も実に美味い.すごいなぁ,と思うのです.この単純にして直截的な役立ちの痛快さ.参りましたねぇ.

ま,しかし,明日からは五月.風向きを変えよう.ずばり変えてみせましょう.


そして五月 2004/05/04

五月.風向きは変わったか?

私は意外にアスリートで落ち込んだり腹が立ったりすると,体を動かしたくなる.一昨日は庭仕事.ミツバツツジを植え替えたりして殆ど土木工事.昨日は自転車であちらこちら走り回って,息子の部屋のベッド探し.今日はベランダ掃除.デッキブラシでコンクリを一日中こすり続け.

で,風向きは変わったか?いくら家族のためにと思っても別に感謝されている様子はない.それでも体を動かしていれば何となく爽快ではある.感謝されようがされまいが自分が爽快であれば良いのかもしれない.

そうかなぁ.だったら何でビールを飲まずにはいられないのか? 酔いで埋め合わせている何か,そこにこそヒントはないか?


イラク人被拘束者の虐待について 2004/05/06

米政府は,早速,調査を行い,対応を図るとしていますがごく一部の軍人による例外的な事象として片付けたい意向がミエミエですね.もちろん虐待は卑劣な行為であり,決して許されるべきことではありません.でも,だからこそその背景にあるもの,その裏側にあるものに,目を向けるべきだと思います.例えば虐待を行ったとされる女性兵士がもしも9.11テロの被害者や遺族であったとしたらあるいは常に命の危険にさらされる極度の緊張状態にあったとしたら私たちは手放しで彼女を責め立てることができるでしょうか?そもそも,いくら責めても,なんの解決にもならないのではないでしょうか?

私は正しい戦争なんてないと思います.戦争はただ憎悪の連鎖を拡大してゆくだけだと思うのです.もし平和の裡にあれば彼女だってあんな真似はしなかったはずだと.


風向きは変わったか 2004/05/07

GWも終わり昨日から職場復帰.さすがに昨日は未だエンジンが冷え切っていましたが今日になったら少しは回るようになってきました.この調子でリチャージできると,大分,風向きも変わるかも.

まぁ,そちらはともかく,肝心の詩作はどうか? まずは,なんで書くんだっけ,というところから問い直したい.また,そのためにも,詩って何だっけ,というところから学び直そうと思う.とはいえ,書かなきゃ書けないでしょ,というのも事実であって考えながら,走りながら,時に立ち止まり,を繰返す他なさそうです.


詩とはなんだろう? 2004/05/10

以前ご紹介した城戸朱理・野村喜和夫の対談にはこんな言葉がありました.

それぞれが生きている場所からの世界の変革詩というのは反抗の形式だ(切実さの露出:グラウンドゼロ以降.現代詩手帖1月号)

なんとも仰々しいですが,私にもそういった意識がなかったわけでもないです.こう見えてもかつてはサルトルとか大好きで浅薄な理解にもかかわらず「文学者のアンガージュマン」なんて平気な顔して言っていたものです.そんな青臭さが薄れた分だけ,「変革」とか「反抗」とかっていう想いいわば志も薄れてしまっているのでしょうか,私は?

現代詩手帖の1月号といえば,和合亮一はなんて言ってましたっけ?

詩は魂の仕事(燃える寒冷前線、日の島へ。:現代詩セミナー・イン・桜島.)

う~む.名言ですね.「変革」とか「反抗」とかっていう想い……なんて薄っぺらなことを口走ってしまったのが恥ずかしくなります(もちろん「変革」とか「反抗」とかといった志を薄っぺらにではなく保持している人々もいらっしゃいますしそういった人々のことは大いに尊敬してもいます).詩は魂の仕事.じゃぁ,魂ってなんだろう? 私の「魂」ってなに?


なんとなく,ぬるく,だるい 2004/05/24

1週間のご無沙汰でした.いかがお過ごしだったでしょうか?

さて,近況はこうです.

先週あたりから,職場の近く,家の近所でツバメを見かけるようになりました.

つばくらめ父を忘れて吾子伸びよ 波郷

石田波郷の句です.しみじみと良いですね.うちの「吾子」は中学に入学してバスケットボール部に入りました.休日も土曜日は部活,日曜日も忙しくて少しも遊んでくれません.そのせいもあって週末は庭仕事に精を出しております.

じゃぁ,平日はどうだ.仕事は?……相変わらずですねぇ.なんかパッとしません.じゃぁ,詩は,どうよ?……ちょっとスランプ.「魂の仕事」にびびったか?

フランス語だけは気合が入ってきています.じりじりと「入門」ににじり寄っています.先週からはとうとうNHKテレビの仏語会話講座を見始めました.数十年ぶりに単語カードを作って持ち歩いたりもしています.

逃避的といえば,そう思われなくもないのですが.


魂の仕事 2004/05/26

「魂の仕事」(和合亮一)の「魂」ということについて考えている.



昔,読んだ,黒田三郎の『詩の作り方』に,詩は「心のなかの青い空」だ,と書いてあった.都会の子供に絵を書かせると空を茶褐色に塗りつぶしてしまう.確かに眼の前の空はスモッグで汚れている.しかし,事実が,現実がそうだとしても,それは本来の空の色ではない.黒田は言う.私たちの日常生活も同じようなものだと.

自分のいまの環境に慣れきって、人生のいろいろなことがらについて、空を茶褐色に塗るのと同じようなことをいっぱいやっているかもしれません。

また,黒田は,詩は「時計の鎖につながれた人間を、その鎖から解き放」ち「太古でも、今でも、同じように流れている時間を思い出させる」とも言っている(同書).

これらの記述に共通しているのは,日常生活,とりわけ,そこでのものの見方感じ方にに対して,本当は違うんじゃないか,本当はこうなんじゃないか,と違和を表明し,異議を申し立てるところに,詩の詩たる所以を求める姿勢だ.



魂は日々の暮らしからは遠ざけられ,隠されているのか.それを暴き白日の下にさらすことが,詩=「魂の仕事」なのだろうか.


魂の仕事(2) 2004/05/28

日常への違和感.黒田は,詩の根源的なモチーフがそこにあると考えているようだ.そして,それは,詩人が「見るひと」であることによってもたらされると.

普通のひとなら何気なく通りすぎてしまうような、ある一瞬を詩人は見るのです。

だから黒田にとっては,「実生活と詩とは、矛盾するもの」だ.むしろ,その矛盾から詩が産まれると考えている.だから,詩を書くには,そのような矛盾に耐える覚悟が必要だと黒田は言う.
詩というものは、現在の地位や立場を、何もかもなげうってしまわねば書けないという性質があります。

裏を返せば詩は,そのような覚悟を余儀なくさせるものだ.「魂の仕事」の魂とは,日常に潜む矛盾を否応なく見てしまう,そのようなものだと思われる.


魂の仕事(3) 2004/06/01

黒田の『詩の作り方』を読んでいると,詩人とは,日常生活に何らかの矛盾や違和を感じる者,そこから目をそらすことができず.日常生活をなげうってでも,その違和について語ることを否応なくされている者,であると思われてくる.

そう言えば『現代詩手帖』の3月号に載っていた笠井嗣夫の文章にこんな言葉があった.

詩とは単一の音や像には還元しようもない無限の物狂おしさから発語される(狂おしさの体感――那珂太郎小論)

では,詩人を詩へと駆りたてる,この「物狂おしさ」,魂と日常との間にある違和とは,どのようなものなのだろうか?


狂おしさの原点 2004/06/05

どうも悩める四十男は絵になりませんね.これが十代の美少年だと,随分,印象が違うのでしょうが.とはいえ,やはり,考えずにはいられないときもあります.

さて,詩人を詩へと駆りたてる「物狂おしさ」とはどのようなものでしょうか.取敢えず那珂太郎の場合を見ておきたいと思います.なぜ那珂太郎かというと特に理由はなく,手近にある『現代詩帖』3月号に特集が組まれていたからです.強いてもう1つ加えるとすれば,知的な美学的な詩風と評されることが多い那珂は,個人的な真情の吐露や告白といった「物狂おしさ」の根拠をちらつかせるようなことが比較的少ない詩人だからです.

『現代詩手帖』3月号に掲載された各氏の文章を読んでいると,那珂は死者に動かされている.死者への哀悼,あるいは「喪」が那珂の詩の重要なモチーフになっていると思われてきます.

日常世界では覆い隠されている、死者たちの声、死者たちの視線によって現実世界に穴をうがち、そこに冥界の風を踊り込ませる(高柳誠.冥界(から)の声)

親しかったものの死を思い、訣れを悲しみ、その悲しみを悲しみ切ることにより詩として具現した(池井昌樹.深い深い夢はわれわれをみる)


では,那珂を動かし続けている死者とは誰か.笠井嗣夫は「狂おしさの体感」で彼なりの推理を披露しています.それは,十五年戦争中に失った多数の戦友ではなかったかと.私なら,そこにもう一人加えるでしょう.それは,戦友とともに死んでしまった,もう一人の自分です.


少々,覗き見趣味が過ぎたかもしれません.その視線はむしろ自分自身に向けられるべきですね.自分を詩に駆り立てていたものはなんだったのか,それが,今,動因としての力を失いかけているのはなぜか.


古本まつり 2004/06/07

たまには日記らしく.

6月6日,日曜,雨.「彩の国古本まつり」へ行く.くまなく見て回ること2時間半.今回の戦利品は5冊.

佐藤信夫.レトリック感覚
新選大岡信詩集(現代詩文庫)
中桐雅夫.詩の読みかた詩の作りかた
嶋岡晨.詩とは何か
吉本隆明.戦後詩史論

他にも欲しい本は何冊かあったがキリがないのでここまでにした.それにしても俳句や短歌に比べると詩,特に現代詩の本が少ないのは残念.


今日も日記らしく 2004/06/07

6月7日月曜.今日も雨.月曜日はいつも憂鬱だが雨だとまして嫌になる.とは言え毎月曜日に休むわけにも行かず休んだところで火曜日が憂鬱になるだけである.気を取りなおそうと週末のWRCラリー(アクロポリス)の結果を確認.スバルのソルベルグが優勝し,シリーズ順位も2位に浮上.素晴らしい.これで,もう少しヒルボネンが頑張ってくれれればマニュファクチャラーズランク首位も夢でなくなるのだが…….あぁ,六連星に栄光あれ!


ことばの動きを追うこと 2004/06/08

とうとう北海道以外は日本じゅう梅雨入りしてしまいましたね.なのに,いまさらではありますが引続き現代詩手帖3月号を読んでいます.3月号は那珂太郎と井坂洋子のダブル特集でした.その井坂が森山大道との対談「街を汲み上げる」でこんなことを言っています.

どうやって緊張感を生むかってことが一番大事なんです。

これだと思いました.緊張感を持って自分の言葉に向きあうこと.いま自分に欠けているのはそういうことだと思ったのです.

また井坂はエッセー「始動の水」にこうも書いている(そうです).

一つのことばがつぎのことばを引き寄せ、その自律運動から身をそらさないでいるときが詩を書いているときではあるけれど、それは同時にバックにある思想が強じんに作用している時間でもある(同じ3月号に掲載された新井豊美「反物語から詩物語へ」からの孫引き.)

どこまでも,ひたすら,自分の言葉の動きを追い続けてゆくこと.その覚悟さえ忘れなければ「思想が強じんに作用し」魂が自分の仕事をしてくれるはず.

う~む.なんとなくスランプ脱出の気配を感じ始めました.


車の動きも追いたい 2004/06/09

車の動きも追いたい.だって年に1度の祭典ル・マン24時間が始まるのだから.日本時間で明日と明後日,いずれも午前2時から予選.1日おいて土曜日,日本時間で午後11時,いよいよ決勝スタート.今年はカスタムクラスに近藤レーシング(童夢S101/無限)とGTクラスにチョロQレーシング(ポルシェ911GT3-RSR)の2チームが日本から参戦する.その他にも海外のチームで走る日本人や日本車(童夢S101)も.大いに楽しみである.


ル・マン……予選第1回の結果は? 2004/06/10

ル・マン.もう1つチーム郷があったのを忘れていました.(車もアウディだし選手も日本人1+外人2だったもので……)予選1回目は,そのチーム郷が3位.先日,JGTCで優勝した荒聖治がル・マンの表彰台にも登れるかも.チーム近藤も10位と健闘しています.JGTCではマシンの不調で戦績のパッとしない道上龍ですが異国でウサを晴らせるとよいですね.車ベースで見ると,アウディが1~4位を独占.日本の孤星,童夢S10は6位,10位,12位です.

マツダや日産がル・マンを湧かせていた頃が懐かしいですね.是非,復帰して欲しいなぁ.


Felicitations! / Congratulations! 2004/06/14

今年のル・マンはAudi勢同士の戦いが最後まで緊迫していてなかなか中身が濃かったですね.しかも結果はチーム郷が悲願の総合優勝.日本のチームとしては91年のマツダ以来という快挙です.マツダはワークスですからプライベータとしては日本初.またドライバーとしては荒聖治が関谷正徳以来2人目となります.さらにトム・クリステンセンはル・マン5連覇の偉業達成です.一方,チョロQレーシングもGTクラス2位と大健闘でした.近藤レーシングのリタイアに象徴される童夢勢の不振は残念ですがまぁ,そこまで望んでは高望みでしょうか.

それにしても,やっぱりル・マンは良いですねぇ.やはり,いずれ現地で見たいものです.


創作ノートから 2004/06/17

なんだか車の動きばかり追っていたみたいですがもちろん言葉の動きだって.たとえば,こんな…….

俺はいつもそこにはいないそこにいなくて良かったと思うような場所には俺は絶対にいない(ただ一つの例外を除いては)どこにもいない俺を悔やむ場所にしか俺はいないのだ

あるいは,こんな…….
真夜中の机が欲しい自分だけの大陸に自分だけの荒地を広げ小さな虫たちを一匹づつ解き放ってゆく

もっともっと動かしてやらねば.


動く,世界へ 2004/06/21

荒聖治や織戸学らが活躍したル・マンの興奮もさめやらぬうちに今度は佐藤琢磨がやってくれましたね.鈴木阿久里以来14年ぶり2人目のF1入賞.今シーズンは佐藤もBARホンダも調子が良くてエンジンさえもってくれれば絶対いけるとは,思っていましたが.

一方,JGTCセパン(マレーシア)戦は逆の展開.外国人ドライバ同士が組むデンソーサードスープラが優勝.菅生での第2戦はさんざんだった日産は本山がかろうじて3位.また菅生から新車投入の雨宮RX7が遂に300クラスの覇者に.

先週も車の動きから目の離せない週末でした.


いささか旧聞に属しますが 2004/06/23

例によって,いささか旧聞に属しますが『現代詩手帖』4月号は演劇を特集に取上げていました.普段,芝居は殆ど見ませんが(好きなんですけどねぇ,なかなか),宇野邦一「土方巽とアルトーはどこで出会うのか」は面白かった.フーコーの「生-政治学」概念を援用し二人を結びつけたその手際がとても鮮やかで印象的でした.あとは松尾スズキに興味を持ちました.内野儀と蟹澤奈穂,穂村弘の3人が紹介していたのですが「笑い至上主義」者による「<九・一一>以降の「世界」についてのコメンタリー」とされる松尾の芝居は,ぜひ見てみたい,思わされました.詩では福間健二の「罪を意識する旅は終わったが」と松本圭二の電波詩集第45回「マント男とバッタ君」がよかった.

いま,生きることは「私の物語」を見失った死体からつくるリズムをもった妖精物語

「罪を意識する旅……」の冒頭部分です.この作品もまた「<九・一一>以降の「世界」についてのコメンタリー」と感じられました.


久しぶりにブックオフへ 2004/06/28

昨日の日曜日,久しぶりにブックオフへ行ったら洋書コーナーにフランス語の本を見つけてしまいました.それもアポリネールの詩集.しかもデュフィの挿絵(版画)入り.それがたったの100円(ペーパーバックとはいえ).という訳で読めもしないのに買ってしまいました.もう1冊買ってしまったのが『頭文字D拓海伝説』.我ながら,いい年をして,とは思いますが好きなものは好きなんだからしょうがないですなぁ.あ,ちなみにこれも100円です.これだからブックオフ通いはやめられません.

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