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2009.04.01

3月の読書録から

東京マラソンにばかり気をとられていた訳でもないが3月も僅か3冊と低調な読書生活であった。そんな中でも久しぶりに現代詩文庫『茨木のり子詩集』を読んだことが最大の収穫といえるだろうか。

大法輪.大法輪閣.2009年3月号

特集は「仏教の誤解を解く―思い違いのQ&A」。初学者のボクにとっては基本的なことを改めて学び直したり、初めて知ることも多く勉強になった。特集以外では千草子の「ヨーロッパに伝わった釈迦伝説」や大洞龍明の「シルクロードに鳩摩羅什の足跡をたどる(上)」、志村有弘の「役行者と日本人」なども興味い。また櫛谷宗則の静けさをたたえた版画(「坐のまなざし3」)も強く印象に残った。

茨木のり子詩集.現代詩文庫.思潮社.1969

たまらなく詩が読みたくなるときがある。たとえば自分の精神が弛緩しきっていると感じるとき、活を入れたくなって開く詩集があるのだ。茨城のり子はボクとってそんな詩を残してくれた詩人の一人だ。誰よりも強く自分を生きることを願った、その願いの強度がボクの心を動かすのだろう。ことに本書に収められた初期の作品群にはそうした精神が瑞々しくほとばしっているように感じられる。

大法輪.大法輪閣.2009年4月号

特集は「輪廻転生を考える―輪廻思想の問題と現代」。なんともディープなテーマだ。「輪廻転生や前世、業について、誤った考え方がテレビなどで語られて」いることを憂い、スピリチュアル・ブームに一石を投じる意図から組まれたもののようだ。第一部「仏教の説く輪廻転生と業」ではブッダならびに日本の各宗派の祖師の輪廻観などが紹介されている。第二部「輪廻転生についての様々な考え方」では仏教以外の宗教や日本の伝統的な生まれ変わり観なども取り上げられている。巻頭の写真とレポート「武者小路実篤「新しき村」の今」(佐藤泰司)も興味深かった。実篤の理想を引き継ぐ「新しき村」が現在も存続しているとは思ってもみなかったが、こうしたコミュニティの必要性はむしろ高まっているように思われた。

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