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2009.07.02

五月闇

「五月闇」という季語は含みというかニュアンスに富んでいて、ちょっと使ってみようかと思わせる魅力がある。だが素人が使うには難しいようで例えばこんな無様をさらすことになる。

五月闇我れ凡なるを思ひ知り ならぢゅん
五月闇点滴瓶のほの明し ならぢゅん

「我れ凡なるを…」は2002年、「点滴瓶の…」は2003年の作。なるほど我ながら「凡なるを思いひ知」らされるような句だ。とほほ。

さて、いつものハンディ歳時記から気に入った句を2つばかり引いてみよう。

五月闇青銅厚き地獄門 有馬朗人

上野の西洋美術館にあるロダン『地獄の門』であろうか。黒く底光りするブロンズ、そして人間の苦悩を象徴する「地獄」が「五月闇」と良くマッチしている。有馬は東大総長や文部大臣を務めたことで知られるが戦後の代表的俳人の一人でもある。
二三歩に地をうしなへり五月闇 井沢正江

闇が深く足元の二、三歩しか見えない。日常のひとこまを写し取った句でありながら中七の「地をうしなへり」という表現が巧みで何やら実存的な不安を感じさせる。

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