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2010.01.02

映画『牛の鈴音』を観る

変えないこと、こだわり続けることについて考える――そんな年の初めに相応しい映画を観た。『牛の鈴音』(韓、2008)だ。ある老夫婦と牛との暮らしを3年にわたって追い続けた本作は韓国でドキュメンタリー映画としては空前の大ヒットを記録したそうだ。

その夫婦は寿命15年と言われる牛と30年も暮らしてきた。ただただ大切に飼育してきたというのではない。荷車を引かせ山あいの田畑を耕し共に働いてきたのだ。その間に近代化が進み山村の農家も多くは機械を導入。農耕牛は次第にその姿を消していった。山村から消えたのは牛だけではない。夫婦が育て上げた9人の子どもたちも既に山を下り街に暮らしている。

機械を使えばもっと楽ができるのにと妻に文句を言われながらも男は牛と働くことをやめない。女もまた散々夫に毒づきながらも夫と牛との暮らしを捨てることはない。老夫婦の「変えないこと、こだわり続けること」と、そして、そんな二人の姿を根気強く誠実に描き出そうとしたイ・チュンニョル監督の「変えないこと、こだわり続けること」とから生まれた奇跡のような映画だ。



韓国映画を観た後はやっぱりマッコリだよなぁ――昭和の雰囲気を色濃く残すガード下の映画館シネパトスを出たボクは、妻と息子と共に変わりゆく銀座を後にした。大久保のコリアタウンを目指して。2010年元旦の夜のことだ。

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