2008.06.11

井上雄彦『バガボンド』28巻を読む

5月25日。井上雄彦の『バガボンド』28巻(吉川英治・原作、講談社)を読む。前巻で吉岡一門との一乗寺下り松の戦いを生き抜いた武蔵はひたすら眠っている。命をやりとりするような戦いに明け暮れた武蔵のひとときの休息。おつうや沢庵、又八、城太郎といった懐かしい顔に囲まれた静寂の時だ。しかし、その静けさの中で物語りは激しく動いている。武蔵を襲う悪夢の数々。そして目覚めたときに突きつけられた残酷な現実。武蔵はこの現実を乗り越え、さらに修羅の道を歩むのか。沢庵の必死の諭しも虚しく……。

本編はもちろんのこと、辻風黄平と佐々木小次郎が出会う巻頭のサイドストーリーも素晴らしい出来栄えである。

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2008.06.03

GWを振り返る

5月6日。早いもので11連休に及んだ超大型連休も今日でおしまい。振り返ってみると「お出かけ」が5回にランニングが3本と、3月末に義母を亡くしたばかりで余り華やかなことはなかったものの、それなりに充実していたように思われる。

4/29は狭山の山口観音に参詣。義母の最後を看取ったときボクは山口観音のお守りを握りしめ延命十句観音経を心の中で念じ続けていた。義母が安らかに息を引き取ったのは観音さまのご加護があってのことと思う。そこで妻と二人、観音さまに御礼を申し上げるとともに、義母の冥土への旅を見守って下さるようお願いしてきたのだ。また弘法大師の御影を頂き、翌30日、初月忌(最初の月命日)を迎えた義母の中陰壇に果物と共にお供えした。翌1日は義父も誘って三人で下落合の薬王院へ。3日は妻の実家で食事会。

そして最終日の今日は妻と息子と三人で上野の鈴本演芸場を訪ねた。口開けは来年3月に二代目三平を襲名する林家いっ平、トリは一昨年、大名跡を継いだ正蔵と、何かと話題の絶えない兄弟二人を迎え、立ち見も出る盛況ぶりだった。正蔵は「お菊の皿」を演じたが、現代風に味付けされておりながら過度に浮ついたところがなく、なかなかしっかりとした出来栄えだった。もう名実共に「こぶちゃん」ではないようだ。他にも大好きな柳家喜多八(「小言念仏」)や三遊亭小円歌(三味線漫談)をライブで見られご機嫌であった。

ランニングは4/26、4/30、5/5と3~4日おきに11キロずつ走った。自宅から八国山を越えて多摩湖までの道を往復するいつものコースだ。1月にランニングを再開以来、徐々にペースを上げ、ようやく57分台前半まで辿りついたが、このコースの自己ベストにはまだまだ2分ほど届かない。せめてあと1分、入梅までにタイムを削っておきたいところだ。

「お出かけ」とランニング以外に何をしていたかというと庭仕事と読書くらいなものだ。庭仕事は主に草むしりと掃除。昨年の秋に腰を痛めてからは庭の手入れもさぼりがちで、すっかり荒れ果てた庭に謝るようにして一本一本、雑草を抜いていった。読書のほうもマンガばかりだったが、友人に薦められて読んだ石塚真一の『岳』(1~6巻)が余りにも素晴らしくて何度も繰返し読んでしまったほどだ。作者の山への熱い想い、山に登らずにはいられない人々への深い愛情、そしてそこで命を落とすまで戦い抜いた人々への尊崇な敬意がずっしりと伝わってくる作品だ。この作品に出会えたこともGWの大きな収穫である。あとは待ちに待った『頭文字D』の最新刊・37巻。こちらは例によって例のごとくなのだが、ボクはそれが好きなのだから、それでいい。

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2007.12.03

肉体を駆り立てるもの

11月29日。待ちに待った井上雄彦の『リアル』7巻(集英社)の発売日。会社帰りにコンビニに立ち寄りさっそく電車の中で読んでみた。前巻は高橋と父親との葛藤を中心に静けさの中で精神のドラマが展開する趣きがあったが、7巻は強豪ドリームスとの再戦が中心になっており肉体の躍動する一冊となっている。ドリームスとの試合は劇的で、しかも更なる波乱への予感を感じさせる幕切れであった。次巻が待ち遠しい。

帰宅後、この日は同じ著者による『バガボンド』27巻(講談社)の発売日でもあったことを知る。翌日、やはり会社帰りに今度は別のコンビニに寄り購入。27巻は前巻に引続き吉岡一門との一乗寺下り松の戦いを描いている。たった一人で数十人を斬り続けてきた武蔵は肉体的にも精神的にも極限状態に陥る。その壮絶な戦いの果てに頭に浮かぶ小次郎の名。いよいよ対決の時が迫ってきたのだろうか。

以前、『リアル』を読んでいて「走りてぇ」と叫びたくなったと書いたことがあったが、この2作品には何か肉体のレベルでボクを駆り立てるものがあるように思われる。それは恐らく井上が、肉体のレベルから人を駆り立てる根源的な情熱というものの存在を描いているからなのだろう。

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2007.11.16

今日が明日を、昨日を、変える

10月30日、鈴木義幸の『図解コーチングスキル』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を読む。同じ著者による『コーチングが人を活かす』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)のエッセンスを図解にしたものだそうで1時間ほどで読むことができる。通常の目次のほかに「状況別インデックス」もついており、困ったときのトラの巻としては便利そうだ。

さて、多少は覚悟していたものの、思っていた以上に早く『図解コーチングスキル』を読み終えてしまったので、会社帰りの電車の中で読む本を求めて書店に立ち寄ると、コミックの棚に『リアル』6巻(井上雄彦、集英社)を発見。ようやく新刊が出たかと思ったが奥付を見ると既に1年前に発売されていたようだ。どこでどう勘違いしたのか、ボクはてっきり6巻は未刊だと思い込んでいたのだ。さっそく電車の中でページを開くと厳しい現実に直面し苦闘する若者たちの姿が懐かしい。6巻では、これまで憎まれ役だった高橋の生い立ちが描かれており、彼が憎まれ役たらざるを得なかった、そのわけ、その苦しみが伝わってきた。ラストではつらい生い立ちの克服が示唆されており、いよいよ高橋も現在の苦境に正面から立ち向かってゆく時がきたのではないか、と思われた。

今、この瞬間に直面している事態に、どのように対処するのか。立ち向かうのか、立ちすくむのか、それとも逃げるのか。ボクたちは、こうした未来を変えてしまう決断すら、過去の影響を免れない。昨日が今日を作り、今日が明日を作るのだ。しかし今日を懸命に生きることで昨日を克服することも可能なはずだ。今日が明日ばかりか昨日を―その自分にとっての意味を変える。コーチングはそのための技術のひとつなのかもしれない。

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2007.10.31

マンガ『特攻の島』を読む

10月5日。マンガ『特攻の島』1巻(佐藤秀峰、芳文社)を読む。人間魚雷・回天と「海の特攻隊」を取上げたというだけでも大いに価値のある一冊だと思う。しかしながら今のところボクにはそれ以上の価値が見出せず、引続き読み続けるかは未だなんとも言えない。

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2007.10.23

久しぶりの『頭文字D』

10月6日。土曜の朝といえば2ヶ月ほど前までは必ずランニングに出かけていたが、腰を痛めてしまってからは整形外科通いが日課となった。今日も隣の駅の整形で診察を受け、ホットパックと低周波、ストレッチをしてもらった。相変わらず走ることはできないが、せめて少しでも歩こうと、帰りは電車に乗らずに歩いて帰ることにした。

途中で喉が渇いてしまい最寄のコンビニに立ち寄ったところ、なんとコミック売り場に『頭文字D』の最新刊(36巻)が発売されているではないか。さっそく購入し家に向かった。もちろんハチロクなみにフルスロットルで歩いた。

36巻は、かつて、いろは坂で藤原拓海との名勝負を演じた小柏カイとの因縁の対決の幕開けを描く。小柏がプロレーサーとなって再登場というだけでも興味津々だが、今後の展開への伏線となりそうな意味深なセリフが多く、次巻への期待を掻き立てられる。今後の展開への導入部としては大成功だと思う。

久しぶりに『頭文字D』を読んだら、ますます走りたい気持ちに火がついた。向こうは車、こちらは持って生まれた足という違いはあれど、どうして走ることにこんなにも惹かれるようになったのだろう……。

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2007.10.09

8月の読書録から

夏休みがあったせいだろうか。8月はマンガを一気に6冊も読んでしまった。一方、詩のほうは相変わらずお留守のまま。いやはや、なんとも。

志ん朝の落語【4】(ちくま文庫)……8月7日読了。粗忽者に碁狂い、小言屋などなど、暴走し始めたら止まらない奇天烈な人物たちが巻き起こす珍騒動を活き活きと描いた噺13篇が収められている。どれをとっても滑稽極まりなく文句なしのおかしさなのだが、中でもボクのお気に入りは「野晒し」と「妾馬」。いずれも主人公の並外れたお調子者ぶりがなんとも魅力的だ。

空海の思想について(梅原猛、講談社学術文庫)……8月16日読了。梅原氏によると空海の説いた密教は「世界をよく悟り、その世界によく遊べ」と教える生の哲学なのだそうだ。空海は「自ら生きることは楽しい。他人を利することもまた楽しい」と笑う、そういった「笑い声の愛好者」としての空海を梅原氏は心から愛するのだと言う。この小さな作品からはそうした空海の密教思想の魅力が伝わってくる。

遥かなる甲子園【1】(戸部良也・ 山本おさむ、小学館文庫)……8月19日読了。沖縄の聾唖の子供たちが野球に取り組む姿を描いた作品。実話に基づいており当時の社会的背景も描かれている。読んでいて目が潤んできてしまった。しかし良くも悪しくも美談に留まっているきらいがあって今のところ更に読み進もうという気になれない。もっとも稀代の名作『リアル』を読み始めてしまったせいかもしれないが……。

リアル【1】【5】(井上雄彦、集英社)……8月24日読了。こちらも障害者スポーツを題材にしているが決して美談に終わらせないところが、さすが井上雄彦である。何巻であったか覚えていないが、主人公が「バスケやりてー」と叫ぶシーンがあって、「ボクだって走りてー」と思わず心のうちで叫んでしまった。こういう圧倒的なリアル感が井上の作品の魅力といえようか。

金哲彦のランニング・メソッド(高橋書店)……8月28日読了。腰を痛めてしまったことをきっかけに少しランニング・フォームについて考えてみたいと思い購入。要は丹田を意識し肩甲骨と骨盤を連動させて全身で走る、ということのようだが、ボクの場合、腹筋・背筋といった体幹と肩の筋肉を強化することから始めることが必要そうだ。

入門ビジネス・コーチング(本間正人、PHP研究所)……8月30日読了。個々の部下のやる気と力を最大限に引き出し、同時にチームワークを向上させる。ボクが職場でいま取り組んでいるのはそういったことなのだが、この本はそのために何が必要か、大きなヒントをくれたように思われる。あとは実行あるのみ。

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2007.08.16

7月の読書録から

先月はマンガを含め4冊と相変わらず寡読である。まして久しく詩書にも触れておらず我ながらこれでよいのかと思う。

志ん朝の落語(3)・遊び色々(ちくま文庫)……7月3日、読了。同じちくま文庫の「志ん生の噺」シリーズを読み終えてしまったので今度は志ん朝を読んでみることにした。志ん朝は子供のころからテレビで慣れ親しんでいるので読んでいると自然に志ん朝の声が頭の中に再現されるようだった。さて本書には廓遊びを中心に芸ごとや花見、物見遊山、子供の悪戯など、遊びにちなんだ噺12編収録されている。なかでも「愛宕山」や「居残り佐平次」、「付き馬」、「花見の仇討」といったところがボクのお気に入り。志ん朝のからっと明るい江戸弁は実に国宝モノだったなぁと改めて思わせられた。

法華経入門(菅野博史・著、岩波新書)……7月10日、読了。食わず嫌いというか日蓮宗や法華経はなんとなく敬遠してしまうボクであるが、先入観で毛嫌いするのもどうかと思い本書を読んでみることにした。その結果、少なくとも法華経については宗教文学として面白そうだと感じるようになった。法華経には随所に法華経が登場し、さまざまな仏が法華経を語り、さまざまな菩薩が法華経を受持し弘通に勤めるという。法華経の功徳が法華経の中心テーマの1つになっているらしい。そこで国学者の平田篤胤は法華経は能書きばかりで肝心の丸薬がないと評したそうだが、ボクにはむしろそこが面白いのだ。また菩薩行と釈尊による救いを中心にした教説にも共感を覚えるところがあり大きな収穫を得た思いがした。

「部下を動かす!」スピード・コーチング(中島孝志・著、講談社)……7月18日、読了。これでも職場に行けば、一応、上司と呼ばれる身である。たまにはそれらしい勉強もしなくてはと思い図書館で借りてきた。「大善は非常に似たり。小善は大厄に似たり」という言葉が引用されていたが、なるほど自分はこれまで答えを与えすぎてきたと思う。これでは自ら考える機会=能力と自信を高めるチャンスを部下に与えることができない。肝に銘じておきたいと思った。

バガボンド・26巻(井上雄彦・著、講談社)……7月27日、読了。待ちに待った『バガボンド』の新刊である。前巻で館主・伝七郎を斬られた吉岡一門が仇討ちを挑んだ一乗寺下り松の戦いを描き、巻頭から巻末まで殆どのページが斬り合いと死体とで埋め尽くされている。それでも惨たらしさや醜さからは程遠い作品となっているのは作者が武蔵と吉岡の門徒たちの人間を描いているからなのだろう。次巻が待ち遠しい。

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2007.06.15

5月の読書録から

先月は志ん生の噺シリーズを一気に3冊読了。あとはコミック1冊に写真集が1冊と久しぶりに仏教からは遠い読書生活だった。その時は意識していなかったけれど、よほどリラックスしたかったんだろうなぁ。

志ん生廓ばなし(ちくま文庫)……吉原や品川といった遊郭にまつわる噺を集めたものだが色っぽい話はむしろ少ない。なんとも滑稽な「錦の袈裟」や人情味あふれる「子別れ」、痛快無比の「居残り佐平次」などが印象深かった。なかでも長編の「品川心中」は圧巻。

頭文字D・35巻(しげの秀一)……マンネリだのネタ切れだのと近頃は手厳しい批判を聞くことが多い。加えてファンの中にはバトルをもっとという声もありバトルはいいからストーリーをという声もあり、あちらを立てればこちらが立たずといった状況だ。作者がどう思っているのか気になるところだが、今のところ我が道を行くと決め込んでいるように見える。ボクとしては、まぁ、それでいいんじゃないかと思う。あきらめ半分というところもあるが、プロジェクトDもいよいよ最終局面、きっとこの先、まだまだ盛上げてくれるだろうと思うのだ。

志ん生艶ばなし(ちくま文庫)……艶噺といっても、こちらも色っぽい噺ばかりではない。女心がなんとも切ない「三年目」、知恵者が人妻の窮地を救った「紙入れ」、あだごと多き廓に誠意が実った「幾代餅」といったところが気に入った。出色の小咄の数々を一気に読める「小咄春夏秋冬」も実に楽しい。

志ん生滑稽ばなし(ちくま文庫)……「千早ふる」、「饅頭こわい」、「狸賽」、「あくび指南」などなど、誰もがどこかで耳にしたことのあるような有名な噺が多い。ボクは中でも「天狗裁き」が好き。ここに収められた噺は巷によく聞くものとは少々演出が異なり志ん生独自の工夫が感じられる。

武蔵野讃歌―田沼武能写真集……生まれも育ちも武蔵野のボクにとっては馴染み深い風景写真が多数収められている。なかでも以前住んでいた東久留米の落合川や竹林公園は息子が未だ小さかったころよく連れて行った場所。懐かしさをかきたてられる思いがした。

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2007.04.09

3月の読書録から

3月も相変わらず仏教と落語の本ばかり読んでいた。ちょっと詩がお留守に過ぎないか。我ながらそう思う。

『お経 浄土真宗』(早島鏡正・田中教照(編)、講談社)……3月5日読了。柳宗悦の『南無阿弥陀仏』を読んで浄土真宗に興味を持った頃にたまたまブックオフで本書を見つけ購入。仏教を理解するには経を読むのが早道と思った次第だ。おかげでだいぶ浄土真宗に対する理解は進んだと思うのだが、なんとも言えない違和感を感じるようにもなった。誰もが往生を得られる易行を説く浄土真宗だが、潔癖主義というか、教条主義というか、こと教義に対してはストイックなまでな忠実さを求めるところがあって、そこがどうも易行とはそぐわない感じがしてしまう。う~む。

『日本の仏教』(渡辺照宏、岩波新書)……3月13日読了。日本における仏教の受容と独自の展開とを展望しつつ、そうした歴史的経緯性と結びついた日本仏教の特性を解説している。が、ちょっと手厳しすぎるのではないか、というのが、ボクの率直な感想。積極的な面も評価していないわけではないのだが、かなり否定的な見方に偏っている気がする。もちろん日本仏教の発展を願ってこその辛口ではあるのだろうが……。一方、半世紀前に本書が突きつけた課題に対して日本仏教界はどのように応えてきたのか、これも気にかかることではある。

『バガボンド(25)』(井上雄彦、吉川英治(原作)、講談社)……3月23日読了。待ちに待った『バガボンド』の最新刊。勤め帰りにふと立ち寄ったコンビニで買い、電車の中で一気に二度も読んでしまった。雄々しく散ってゆく伝七郎も人、女々しく生き残る又八も人、求道のために人を切り、誰も届かぬ高みに独りたたずむ武蔵も人。みな切なく、みな尊い。

『志ん生長屋ばなし―志ん生の噺〈4〉』(ちくま文庫)……3月29日読了。江戸の落語といえば長屋がつきもの。おっちょこちょいもいれば、うすぼんやりもいる。喧嘩っ早いのもいれば、お人よしもいる。大家も店子もご隠居も、皆ありのままを生きているところが面白い。ことに「三軒長屋」、「大山詣で」、「らくだ」が気に入った。

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2007.02.07

宮本武蔵

1月22日。司馬遼太郎の『宮本武蔵』を読む。主人公の武蔵をはじめ、日ごろ読み親しんでいるマンガ『バガボンド』で馴染みの登場人物ばかりだが、『バガボンド』で描かれた人物像とは大きく異なっていることに興味を覚えた。司馬の描いた人物像が史実を踏まえたものだとすれば、『バガボンド』のほうは創作の要素が大きい。そのどこまでを原作、吉川英治の『宮本武蔵』に負っているのか、どこからが井上雄彦の独創なのか、ちょっと気になってきた。いよいよ吉川の武蔵に手を出すときか? とはいえ確か文庫で8冊くらいあったよなぁ……。うーむ。

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2006.12.01

虫の知らせか……

11月30日。午後8時半、今日も遅くなってしまった。疲れた体を引きずり家路を急ぐ。ふと軽い読み物が欲しくなり滅多に立ち寄ることのない駅前のコンビニに入る。これといって目当てはない。ただ電車の中で頭の休まるような本を読みたいと思っただけだ。他に用もないので、すぐに書籍コーナーに向かう。するとそこには『頭文字D』の34巻が並んでいるではないか。待ちに待った新刊が多忙に紛れ気づかぬうちに発売されていたのだ。レジで支払を済ませ急いで改札を抜ける。ひと気もまばらな夜のホームで、早速、ページを開く。3ヶ月振りに読む公道バトルの世界。そのスリル、迫力、緊張感を満喫する。所沢に着くまでに2回も読み返してしまった。あぁ35巻が待ち遠しい。

ふと思い立ってコンビニに寄ったおかげで思わぬ収穫を得たわけだが、あれはやはり虫の知らせだったのだろうか。

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2006.09.04

夏休みの思い出から(3)

8月15日。夏休み第1弾最終日。今年は仕事の都合もあって11日から15日と18日から20日との2回にわけて夏休みをもらった。息子の高校受験を控えて遠出の予定もない身としては手持ち無沙汰にならず却って好都合といったところだ。

行きつけの床屋で散髪。夏らしく思い切り短めに切ってもらった。ブックオフに立ち寄り漫画『バガボンド』の13巻14巻を購入。息子は朝から塾に行ってしまったので、妻と二人、簡単に昼食を済まし、早速、『バガボンド』を読む。13巻、宍戸梅軒こと辻風黄平との死闘は圧巻。14巻はいよいよ小次郎の登場。しばし武蔵の活躍ぶりを読めないのは残念だが、井上雄彦がどのように小次郎の人物像を造形してゆくのか、興味がそそられる。

世間はすっかり夏休みモードだが妻の通う韓国語の授業(目白大学のエクステンション講座)は今日も授業があるという。昼のうちに息子の好物のカレーを煮込み、夕方、妻はいそいそと出かけていった。シャワーを浴びビールを飲みながら息子の帰宅を待つ。

息子と二人で食事をとることはめったにない。どんな話をしようか、テレビはどうしようか、などと思案していると、息子は映画『少林サッカー』のDVDがあるから見よう、と言う。先週の休みにブックオフで安く売っていたのをみつけたらしい。数年前、ツタヤでDVDを借りて家族全員で観た映画だ。自分の小遣いで買うとは安かったからとはいえ、よほど気に入ったのだろう。

妻の煮込んだカレーを味わいながら息子と二人で映画を楽しんでいるうちに夜が更けてゆく。このささやかな幸福感が明日からの仕事の糧になるのか、それとも……。

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2006.06.05

なぜか『バガボンド』、いまは

6月2日。マンガ『バガボンド』第3巻(井上雄彦、講談社)を読む。命を賭しても剣において天下無双を目指す、若き宮本武蔵の熱情がひしひしと伝わってくる。この迫力は一体なんなのだろうか。

本当はもっと詩を読みたいのだが、何故か、ついついマンガに手が伸びてしまう。ことに今は『バガボンド』。迫力のある描写と武蔵の壮絶な熱情に抗いがたい興奮と魅力を感じる。

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2005.08.04

2005年上半期を振りかえる―読書篇

今日はもう一発。読書篇である。この上半期は6ヶ月で38冊とボクにしては比較的多くの本を読んだ。しかし、そこには『頭文字D』や『湾岸MIDNIGHT』といったマンガが多数含まれており、まるで中学生か高校生の読書録のようだ。また『知識ゼロからのジョギング&マラソン入門』といった実用書も、若干、含まれている。こちらのほうはは、どちらかというと、中高生とは縁遠いだろうか。

さて38冊の中からベスト3を選んでみよう。

1位 野村喜和夫『現代詩作マニュアル―詩の森に踏みこむために』
2位 辻井喬『詩が生まれるとき―私の現代詩入門』
3位 池田晶子『14歳からの哲学―考えるための教科書』

うむ、なんとなく、文学にかぶれだした中高生の夏休み、っぽいセレクションだ。まぁ、しかたがない。ボクの頭の中は、そこから余り先へは進んでいないようだから……。

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2005.06.07

待ってました! 頭文字D

6月6日。待ちに待った31巻がついに発売された。『頭文字D』である。昨日は朝から落ち着かず、とうとう昼休みに会社を抜けだし、駅前の本屋へ走ってしまった。いやはや我ながら大人げない。

仕事を終え、疲れた体を電車に押し込み、通勤カバンから『頭文字D』を取り出す。ページを開いた瞬間、伝説のゴッドフット・星野好造に挑む高橋兄弟の戦い、その熱いバトルにボクはもう引き込まれている。

それにしても何という迫力、何という陶酔感。家に着くまでに二回も読んでしまった。いまも消えない余韻の中でただただ次巻を待っている。できれば今度は半年も待たさないで欲しい。

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