2008.06.11

一之輔!

5月31日。高校の同窓会報が届く。懐かしい想いに浸りながら、あれこれ記事を見ていて驚いた。なんと春風亭一之輔は12期後輩の同窓生ではないか! 一之輔は三遊亭歌彦とならんでボクの好きな落語家の一人。ことに昨年の秋にポッドキャスティング落語@にふ亭で聞いた『不動坊』は大のお気に入りだ。これはますます応援せねば……。

というわけで一之輔さんのブログはこちらです。
いちのすけえん(http://ichinoske.exblog.jp/)

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2008.06.03

GWを振り返る

5月6日。早いもので11連休に及んだ超大型連休も今日でおしまい。振り返ってみると「お出かけ」が5回にランニングが3本と、3月末に義母を亡くしたばかりで余り華やかなことはなかったものの、それなりに充実していたように思われる。

4/29は狭山の山口観音に参詣。義母の最後を看取ったときボクは山口観音のお守りを握りしめ延命十句観音経を心の中で念じ続けていた。義母が安らかに息を引き取ったのは観音さまのご加護があってのことと思う。そこで妻と二人、観音さまに御礼を申し上げるとともに、義母の冥土への旅を見守って下さるようお願いしてきたのだ。また弘法大師の御影を頂き、翌30日、初月忌(最初の月命日)を迎えた義母の中陰壇に果物と共にお供えした。翌1日は義父も誘って三人で下落合の薬王院へ。3日は妻の実家で食事会。

そして最終日の今日は妻と息子と三人で上野の鈴本演芸場を訪ねた。口開けは来年3月に二代目三平を襲名する林家いっ平、トリは一昨年、大名跡を継いだ正蔵と、何かと話題の絶えない兄弟二人を迎え、立ち見も出る盛況ぶりだった。正蔵は「お菊の皿」を演じたが、現代風に味付けされておりながら過度に浮ついたところがなく、なかなかしっかりとした出来栄えだった。もう名実共に「こぶちゃん」ではないようだ。他にも大好きな柳家喜多八(「小言念仏」)や三遊亭小円歌(三味線漫談)をライブで見られご機嫌であった。

ランニングは4/26、4/30、5/5と3~4日おきに11キロずつ走った。自宅から八国山を越えて多摩湖までの道を往復するいつものコースだ。1月にランニングを再開以来、徐々にペースを上げ、ようやく57分台前半まで辿りついたが、このコースの自己ベストにはまだまだ2分ほど届かない。せめてあと1分、入梅までにタイムを削っておきたいところだ。

「お出かけ」とランニング以外に何をしていたかというと庭仕事と読書くらいなものだ。庭仕事は主に草むしりと掃除。昨年の秋に腰を痛めてからは庭の手入れもさぼりがちで、すっかり荒れ果てた庭に謝るようにして一本一本、雑草を抜いていった。読書のほうもマンガばかりだったが、友人に薦められて読んだ石塚真一の『岳』(1~6巻)が余りにも素晴らしくて何度も繰返し読んでしまったほどだ。作者の山への熱い想い、山に登らずにはいられない人々への深い愛情、そしてそこで命を落とすまで戦い抜いた人々への尊崇な敬意がずっしりと伝わってくる作品だ。この作品に出会えたこともGWの大きな収穫である。あとは待ちに待った『頭文字D』の最新刊・37巻。こちらは例によって例のごとくなのだが、ボクはそれが好きなのだから、それでいい。

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2008.02.01

落語口演会へ行く

1月26日。所沢のお隣さん、東村山市の保健増進委員会が主催した第2回「落語口演会」に行く。出演者は古今亭菊志んと柳亭こみちのお二人。

菊志んは昨年6月に真打に昇進。その2ヶ月ほど後に上野の末広亭で聞いた「寄合酒」が印象に残っている。明るく賑やかな芸風で万人に好まれそうな感じだ。今回の演目は「転失気」と「替り目」。「転失気」は本来のサゲが江戸時代の俗語による地口落ちで分かりにくい。菊志んはそこのところを一工夫して誰にでも分かる駄洒落にかえていた。「替り目」で見せた酔っぱらいの演技も派手ながら不自然なところがなく大いに笑わせてもらった。

柳亭こみちは数少ない女性落語家。ご当地・東村山の出身で大学を卒業後、出版社(だったかな?)に就職。5年前に落語の世界に転進を図ったという変わりダネである。本日の演目は「宮戸川」の上段、別名「お花・半七馴れ初め」。若い男女が一線を越えるか、越えないか、という艶噺を女性が演じるとは、なかなか意欲的な選択だと思ったが、お花らしい健康的な色気を感じさせる話しぶりに感心させられた。「宮戸川」は下段の内容が陰惨なためか上段のみを演じることが多い。その場合はいよいよクライマックスというところでスパっと話を終わらせてしまう。この切れ味がよくないと面白みが半減してしまうのだが、この日のこみちの切り方はなかなかよかったと思う。

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2007.12.04

『志ん朝の落語(5)』を読む

11月30日。『志ん朝の落語(5)―浮きつ沈みつ』(京須偕充・編、ちくま文庫)を読む。「火焔太鼓」や「へっつい幽霊」、「船徳」など、銭金や商売に関わる噺12作が収録されている。なかでもボクのお気に入りは「黄金餅」と「芝浜」。「黄金餅」は欲の皮の突っ張った男たちの姿を描き黒い笑いが堪能できる。「芝浜」は酒で身を持ち崩した男が妻のおかげで再起する人情話で、落ちが単に落ちであるだけでなく、男の心境を如実に表していてシミジミと良い。

「芝浜」はフジテレビのポッドキャスト『お台場寄席』で、志ん朝の師であり父である志ん生が演じたものを聴くことができる。また同じポッドキャストで配信されている立川談笑による改作「シャブ浜」も一聴の価値ありだ。

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2007.11.19

『志ん朝の落語(6)』を読む

11月16日。久しぶりに『志ん朝の落語』(京須偕充・編、ちくま文庫)を読む。第6巻『騒動勃発』である。人情噺が好きなボクとしては「抜け雀」や「雛鍔」がお気に入りだが、江戸の長屋の雰囲気が伝わってくる「大工調べ」や「お化長屋」、「三軒長屋」も楽しい。また今まで聞いたことも読んだこともなかった「三方一両損」や「高田馬場」に触れる機会を得たのも大いなる収穫だ。ことに「三方一両損」は江戸の職人気質(かたぎ)、気風(きっぷ)のよさが志ん朝の巧みな江戸弁にマッチしていて何とも小気味よい。これは是非ともCDを手に入れて聴いてみたいものだ。

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2007.10.09

8月の読書録から

夏休みがあったせいだろうか。8月はマンガを一気に6冊も読んでしまった。一方、詩のほうは相変わらずお留守のまま。いやはや、なんとも。

志ん朝の落語【4】(ちくま文庫)……8月7日読了。粗忽者に碁狂い、小言屋などなど、暴走し始めたら止まらない奇天烈な人物たちが巻き起こす珍騒動を活き活きと描いた噺13篇が収められている。どれをとっても滑稽極まりなく文句なしのおかしさなのだが、中でもボクのお気に入りは「野晒し」と「妾馬」。いずれも主人公の並外れたお調子者ぶりがなんとも魅力的だ。

空海の思想について(梅原猛、講談社学術文庫)……8月16日読了。梅原氏によると空海の説いた密教は「世界をよく悟り、その世界によく遊べ」と教える生の哲学なのだそうだ。空海は「自ら生きることは楽しい。他人を利することもまた楽しい」と笑う、そういった「笑い声の愛好者」としての空海を梅原氏は心から愛するのだと言う。この小さな作品からはそうした空海の密教思想の魅力が伝わってくる。

遥かなる甲子園【1】(戸部良也・ 山本おさむ、小学館文庫)……8月19日読了。沖縄の聾唖の子供たちが野球に取り組む姿を描いた作品。実話に基づいており当時の社会的背景も描かれている。読んでいて目が潤んできてしまった。しかし良くも悪しくも美談に留まっているきらいがあって今のところ更に読み進もうという気になれない。もっとも稀代の名作『リアル』を読み始めてしまったせいかもしれないが……。

リアル【1】【5】(井上雄彦、集英社)……8月24日読了。こちらも障害者スポーツを題材にしているが決して美談に終わらせないところが、さすが井上雄彦である。何巻であったか覚えていないが、主人公が「バスケやりてー」と叫ぶシーンがあって、「ボクだって走りてー」と思わず心のうちで叫んでしまった。こういう圧倒的なリアル感が井上の作品の魅力といえようか。

金哲彦のランニング・メソッド(高橋書店)……8月28日読了。腰を痛めてしまったことをきっかけに少しランニング・フォームについて考えてみたいと思い購入。要は丹田を意識し肩甲骨と骨盤を連動させて全身で走る、ということのようだが、ボクの場合、腹筋・背筋といった体幹と肩の筋肉を強化することから始めることが必要そうだ。

入門ビジネス・コーチング(本間正人、PHP研究所)……8月30日読了。個々の部下のやる気と力を最大限に引き出し、同時にチームワークを向上させる。ボクが職場でいま取り組んでいるのはそういったことなのだが、この本はそのために何が必要か、大きなヒントをくれたように思われる。あとは実行あるのみ。

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2007.08.29

夏休みを上野で過ごす

8月3日、家族で上野へ出かける。今年は夏休みを3~6日と11~14日の2回に分けて取ることにした。今日はその初日。以前なら夏休みといえば家族で旅行に出かけたものだが、息子も高校生になり部活やらなにやら夏休みも忙しかろうと、今年は旅行はやめにした。とはいえ折角の夏休み、どこか行きたいところはないかと尋ねたところ、息子は美術館に行きってみたいと言う。ボクとツレアイにとって美術館は学生時代の定番デートコースだったし、結婚した後も息子が生まれるまではしばしば足を運んでいた。だから久しぶりに美術館を訪ねることが出来るのは大歓迎……ではあるが、ボクとしては寄席に行きたい気持ちもあり、上野の国立西洋美術館から鈴本演芸場に向かう少々ユニークなコースを巡ることにした。

国立西洋美術館は「パルマ―イタリア美術、もう1つの都」展が開催されていたが、特にイタリア美術に興味があるわけでもないので常設展とロマネスク美術写真展を観た。膨大な松方コレクションがベースになっているだけあって常設展だけでも十分に見ごたえがある。特にロダンやモネの作品が多いところが嬉しい。他にはドルチの「悲しみの聖母」やグレコの「十字架のキリスト」、エルンストの「石化した森」といったところがボクのお気に入り。息子はもっと古い作品が好みらしく、中世から17~18世紀の絵画やロマネスク美術写真展の写真にじっと見入っていた。

美術館から鈴本までは普通に歩いて15分程度。開場までまだだいぶ間があるので、西郷さんの銅像を見たり清水観音をお参りしたりと上野の山をぶらつき、山の向こうの不忍池まで足を伸ばすことにした。不忍池は丈高い蓮の葉が一面に生い茂り、ところどころに薄ピンクの大きな花が咲いて、都会のオアシスというよりも生々しく力強い生命力、野生を思わせる景色だった。折から開催されていた骨董市をひやかしながら半周ほど池の周りを散歩して鈴本に向かう。途中のコンビニでパンやおむすび、スナック菓子やお茶(ボクはワンカップの日本酒)を買い込み、開場と同時に中に入る。

そこから先は別世界。太神楽(曲芸)に漫才、奇術に落語。浮世を忘れ、ひたすら笑い、芸を楽しんでいるうちに時は過ぎ、あっという間の3時間だった。これで御代は2800円というのだから寄席は安いものだ。さて、この日、聞いた落語ではなんといってもトリの橘家文左衛門が演じた「らくだ」が素晴らしかった。大ネタである上、登場人物のクセが強く、しかも話の展開につれて立場が逆転するようなシーンもあり、高度な演技力が求められる噺だと思うが、文左衛門はしっかりと演じきっていた。その他には古今亭菊志んの「寄合酒」や桂藤兵衛の「へっつい幽霊」が面白かった。

美術館に寄席、こんな取り合わせが気取らずに自然に楽しめるところが上野のよさであろうか。それにしても、こんな取り合わせをすっかり楽しめるようになるとは我が息子も随分と成長したものだ。

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2007.08.16

7月の読書録から

先月はマンガを含め4冊と相変わらず寡読である。まして久しく詩書にも触れておらず我ながらこれでよいのかと思う。

志ん朝の落語(3)・遊び色々(ちくま文庫)……7月3日、読了。同じちくま文庫の「志ん生の噺」シリーズを読み終えてしまったので今度は志ん朝を読んでみることにした。志ん朝は子供のころからテレビで慣れ親しんでいるので読んでいると自然に志ん朝の声が頭の中に再現されるようだった。さて本書には廓遊びを中心に芸ごとや花見、物見遊山、子供の悪戯など、遊びにちなんだ噺12編収録されている。なかでも「愛宕山」や「居残り佐平次」、「付き馬」、「花見の仇討」といったところがボクのお気に入り。志ん朝のからっと明るい江戸弁は実に国宝モノだったなぁと改めて思わせられた。

法華経入門(菅野博史・著、岩波新書)……7月10日、読了。食わず嫌いというか日蓮宗や法華経はなんとなく敬遠してしまうボクであるが、先入観で毛嫌いするのもどうかと思い本書を読んでみることにした。その結果、少なくとも法華経については宗教文学として面白そうだと感じるようになった。法華経には随所に法華経が登場し、さまざまな仏が法華経を語り、さまざまな菩薩が法華経を受持し弘通に勤めるという。法華経の功徳が法華経の中心テーマの1つになっているらしい。そこで国学者の平田篤胤は法華経は能書きばかりで肝心の丸薬がないと評したそうだが、ボクにはむしろそこが面白いのだ。また菩薩行と釈尊による救いを中心にした教説にも共感を覚えるところがあり大きな収穫を得た思いがした。

「部下を動かす!」スピード・コーチング(中島孝志・著、講談社)……7月18日、読了。これでも職場に行けば、一応、上司と呼ばれる身である。たまにはそれらしい勉強もしなくてはと思い図書館で借りてきた。「大善は非常に似たり。小善は大厄に似たり」という言葉が引用されていたが、なるほど自分はこれまで答えを与えすぎてきたと思う。これでは自ら考える機会=能力と自信を高めるチャンスを部下に与えることができない。肝に銘じておきたいと思った。

バガボンド・26巻(井上雄彦・著、講談社)……7月27日、読了。待ちに待った『バガボンド』の新刊である。前巻で館主・伝七郎を斬られた吉岡一門が仇討ちを挑んだ一乗寺下り松の戦いを描き、巻頭から巻末まで殆どのページが斬り合いと死体とで埋め尽くされている。それでも惨たらしさや醜さからは程遠い作品となっているのは作者が武蔵と吉岡の門徒たちの人間を描いているからなのだろう。次巻が待ち遠しい。

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2007.06.15

5月の読書録から

先月は志ん生の噺シリーズを一気に3冊読了。あとはコミック1冊に写真集が1冊と久しぶりに仏教からは遠い読書生活だった。その時は意識していなかったけれど、よほどリラックスしたかったんだろうなぁ。

志ん生廓ばなし(ちくま文庫)……吉原や品川といった遊郭にまつわる噺を集めたものだが色っぽい話はむしろ少ない。なんとも滑稽な「錦の袈裟」や人情味あふれる「子別れ」、痛快無比の「居残り佐平次」などが印象深かった。なかでも長編の「品川心中」は圧巻。

頭文字D・35巻(しげの秀一)……マンネリだのネタ切れだのと近頃は手厳しい批判を聞くことが多い。加えてファンの中にはバトルをもっとという声もありバトルはいいからストーリーをという声もあり、あちらを立てればこちらが立たずといった状況だ。作者がどう思っているのか気になるところだが、今のところ我が道を行くと決め込んでいるように見える。ボクとしては、まぁ、それでいいんじゃないかと思う。あきらめ半分というところもあるが、プロジェクトDもいよいよ最終局面、きっとこの先、まだまだ盛上げてくれるだろうと思うのだ。

志ん生艶ばなし(ちくま文庫)……艶噺といっても、こちらも色っぽい噺ばかりではない。女心がなんとも切ない「三年目」、知恵者が人妻の窮地を救った「紙入れ」、あだごと多き廓に誠意が実った「幾代餅」といったところが気に入った。出色の小咄の数々を一気に読める「小咄春夏秋冬」も実に楽しい。

志ん生滑稽ばなし(ちくま文庫)……「千早ふる」、「饅頭こわい」、「狸賽」、「あくび指南」などなど、誰もがどこかで耳にしたことのあるような有名な噺が多い。ボクは中でも「天狗裁き」が好き。ここに収められた噺は巷によく聞くものとは少々演出が異なり志ん生独自の工夫が感じられる。

武蔵野讃歌―田沼武能写真集……生まれも育ちも武蔵野のボクにとっては馴染み深い風景写真が多数収められている。なかでも以前住んでいた東久留米の落合川や竹林公園は息子が未だ小さかったころよく連れて行った場所。懐かしさをかきたてられる思いがした。

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2007.04.09

3月の読書録から

3月も相変わらず仏教と落語の本ばかり読んでいた。ちょっと詩がお留守に過ぎないか。我ながらそう思う。

『お経 浄土真宗』(早島鏡正・田中教照(編)、講談社)……3月5日読了。柳宗悦の『南無阿弥陀仏』を読んで浄土真宗に興味を持った頃にたまたまブックオフで本書を見つけ購入。仏教を理解するには経を読むのが早道と思った次第だ。おかげでだいぶ浄土真宗に対する理解は進んだと思うのだが、なんとも言えない違和感を感じるようにもなった。誰もが往生を得られる易行を説く浄土真宗だが、潔癖主義というか、教条主義というか、こと教義に対してはストイックなまでな忠実さを求めるところがあって、そこがどうも易行とはそぐわない感じがしてしまう。う~む。

『日本の仏教』(渡辺照宏、岩波新書)……3月13日読了。日本における仏教の受容と独自の展開とを展望しつつ、そうした歴史的経緯性と結びついた日本仏教の特性を解説している。が、ちょっと手厳しすぎるのではないか、というのが、ボクの率直な感想。積極的な面も評価していないわけではないのだが、かなり否定的な見方に偏っている気がする。もちろん日本仏教の発展を願ってこその辛口ではあるのだろうが……。一方、半世紀前に本書が突きつけた課題に対して日本仏教界はどのように応えてきたのか、これも気にかかることではある。

『バガボンド(25)』(井上雄彦、吉川英治(原作)、講談社)……3月23日読了。待ちに待った『バガボンド』の最新刊。勤め帰りにふと立ち寄ったコンビニで買い、電車の中で一気に二度も読んでしまった。雄々しく散ってゆく伝七郎も人、女々しく生き残る又八も人、求道のために人を切り、誰も届かぬ高みに独りたたずむ武蔵も人。みな切なく、みな尊い。

『志ん生長屋ばなし―志ん生の噺〈4〉』(ちくま文庫)……3月29日読了。江戸の落語といえば長屋がつきもの。おっちょこちょいもいれば、うすぼんやりもいる。喧嘩っ早いのもいれば、お人よしもいる。大家も店子もご隠居も、皆ありのままを生きているところが面白い。ことに「三軒長屋」、「大山詣で」、「らくだ」が気に入った。

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2007.03.01

2月の読書録から

3月1日。先月は公私に亘って余裕がなく余り日乗を録すことができなかった。そこで先ずは2月に読んだ本についてまとめて記しておきたい。

『南無阿弥陀仏』(柳宗悦、岩波文庫)……2月7日読了。柳氏が自らの仏教思想をまとまった形で記したものとしては他に類がないとのこと。また柳氏の民芸運動の理念と仏教思想との密接な関わりを垣間見ることもでき興味深い。浄土宗から浄土真宗(あるいは真宗)、そして時宗へと受継がれた、阿弥陀信仰と念仏行を核とする仏教、いわゆる浄土門の入門書としても大いに参考になった。

『バカ日本地図―全国のバカが考えた脳内列島MAP』(一刀、技術評論社)……2月10日読了。インターネット上で展開された「バカが思い描いている日本地図をつくる」プロジェクトを書籍化したものだ。このプロジェクトに関する新聞記事を読み面白そうだと思っていたところ、息子も友達から話を聞いて欲しくなったというので、二人で小遣いを出し合って買うことにした。読んでみると確かに面白い。北海道や九州など自分の生活圏から遠い地域の地理について自分がどれだけ無知であるか、そのくせ他の地域に住む人が関東の地理を知らないことをどれほど「バカ」と思ってしまうか、そのアンバランスさを思い知らされた。好企画である。

『梅原猛の授業 仏教』(朝日新聞社)……2月18日読了。梅原氏が中学生を対象に行った授業を収録したもの。宗教とは何か、なぜ宗教が必要なのか、を生徒たちに考えさせることから出発して、仏教導入期の聖徳太子、平安時代の最澄・空海、そして法然・親鸞の浄土門や道元・栄西の禅宗、日蓮の法華経信仰など多様に咲き誇った鎌倉仏教にいたる日本の仏教史を紹介している。宗教対立が平和を脅かし、地球環境の破壊が破局的な段階にまで至った今日、殺生を禁じ他の宗教にも寛容で多様性を持つ仏教が見直されるべきだとの梅原氏の主張は、図式的・短絡的との批判もあるかもしれないが、頷ける面も大いにあるとボクには思えるのだ。

『志ん生人情ばなし―志ん生の噺〈3〉』(ちくま文庫)……2月21日読了。落語を活字で読むのは始めてのこと。気づいてみれば、いつのまにかに、落語っぽい口調や声を頭の中で再生するような読み方をしていた。面白いものだ。さて所収14席はいずれも甲乙つけがたいが、やはりボクにとっては馴染みの深い「井戸の茶碗」と「抜け雀」が好きだ。そう言えば、先日、久しぶりにポッドキャスト落語のにふ亭を聴いたら三遊亭歌彦が「抜け雀」を演じていてなかなかよかった。これも保存版に入れておこう。

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2006.09.25

落語『紺屋高尾』を聞く

9月21日。@ニフ亭ぽっどきゃすてぃんぐ落語で立川笑志の『紺屋高尾』を聞く。職人には高値の華の大名道具・高尾太夫に寄せる久蔵の一途な想いが切なく、目が潤んでしまった。その深い想いに打たれ年季明けの嫁入りを決意する太夫のセリフも不自然さを感じさせず、笑志の演技力は大したものだと思った。立川流おそるべし……。これもiTunesにとっておこう。

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2006.09.06

落語『子別れ』を聞く

9月5日、@ニフ亭ぽっどきゃすてぃんぐ落語で三遊亭歌彦の『子別れ』を聞く。笑いあり涙あり、ボク好みの人情噺だ。歌彦は声も好きだし語りもよいと思う。@ニフ亭で気に入った噺はiTunesに残すようにしているのだが、いまのところ4本中2本が歌彦(『阿武松』・『天狗裁き』)。もちろん『子別れ』が3本目となることは言うまでもない。

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2006.01.31

iPod生活10日目

1月30日。iPodが届いてから10日がたった。いまのところ中身は英会話教材が1つとポッドキャストが3つ。それから音楽ファイルが1つ。そう、見ての通り、音楽を聴くために買ったのではなく、仕事上の必要に迫られて英語を勉強するために購入したのだ。

英会話教材はソースネクストの「MP3英会話ビジネス編」。何が良いのか分からなかったので、取りあえず手ごろなものをAMAZONで取り寄せてみた。1週間ほど聴いてみたがボクの場合はなかなか即効があったようだ。

ポッドキャストは「EnglishVitamin Podder」「podcasting954」「@ニフ亭」の3つ。「EnglishVitamin Podder」は上記の教材を作成した会社が運営するものだが実は未聴。「podcasting954」はボクの大好きなTBSラジオが主催するもの。普段は聴くことができない昼間の番組「ストリーム」の人気コーナー「コラムの花道」が聴けるのが嬉しい。最後の「@ニフ亭」は若手が演ずる古典落語を@ニフティが配信しているもの。このポッドキャストのおかげで英語勉強用のiPodが落語観賞用になりつつある。まずい……。

唯一の音楽ファイルがなにかというと母校(高校)の校歌である。たまたま見つけた母校の合唱部のサイトで入手した。この曲を聴くとあの頃の熱い想いが蘇ってくるようで朝の元気づけにはもってこいだ。

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2005.07.29

寄席はいいねぇ

なんだか思いきり笑いたくなったものだから久しぶりに池袋演芸場に行ってみた。先々週の日曜、17日のことである。12時半開演の昼の部。すいているだろうとたかをくくって遅めに行ったら……、びっくり、満席である。妻と息子にはどうにか席をあてがってやることができたが自分は立ち見だ。まぁ、いいや、腹の底から笑えれば、それで十分。

そば清、茄子娘、反魂香。やっぱり古典落語はいい。手品、漫才、ギター漫談。色ものだって素敵だ。テレビで見るような華やかさはないが、酸いも甘いも知りつくした、芸と人生のベテランならではの枯れた味わい、ペーソスがある。

夕食は最近できた沖縄料理屋で、と思いながら出かけたのだが、寄席帰りはやっぱり蕎麦。いきつけ(という程でもないが)の文右衛門で、思い出し笑いを交えつつ、親子三人、重ね蕎麦をすすった。身近な小さな幸せを感じさせる佳い一日になった。

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